内容説明
南方最前線で防空戦に奮闘し、戦争末期に米重爆B‐29、B‐24の単独撃墜を記録した若きパイロットの知られざる戦い。少年飛行兵出身の元戦闘機乗りがいま語り遺す戦場の真実!
目次
第1章 陸軍少年飛行兵志願
第2章 熊谷飛行学校
第3章 飛行第七十七戦隊
第4章 ビルマ、タイに転進
第5章 第七十七戦隊全滅
第6章 戦隊再編
第7章 防空戦
第8章 特攻編成
第9章 終戦と抑留
著者等紹介
久山忍[ヒサヤマシノブ]
昭和36年生まれ。記録家。硫黄島戦生き残りの海軍中尉・大曲覚氏と出会ったことを機に、作家活動をはじめる。戦場体験者の証言を記録し、証言者の原稿校正を経た後に作品を発表するという独自のスタイルで、特に戦争体験者から広く支持されている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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roatsu
21
関利雄軍曹の体験は以前ネットで私の戦闘記の題で公開され、それを拝見したと記憶する。改めて詳細に読むことができ大変得る所が大きかった。これも日本人必読の一冊である。驚くべきはその作戦行動地域の広さで、凡そニューギニア以北で太平洋上を除く殆どの地域を飛び巡った稀有さである。軍歴も少飛11期生として空中勤務者(パイロット)となるが、海軍航空隊の操練、予科練同様に陸軍航空隊の屋台骨を支えた少飛出身者の実像を、養成課程や気質など詳細な要素とともに語り伝える。充実した訓練を経て戦線に出ていった最後の世代として、往時の2020/01/20
teitowoaruku
2
生きるか死ぬかはまったくの運。そうとわかっていながら、猛烈な弾幕をはる敵の大型爆撃機に突っ込んでいった当時の若者たち。戦って死ぬことが当たり前だった時代、その狂気的な行動はおかしいと思われなかった。ただ身体だけは、空に上がる度に震えていた。2021/06/29