内容説明
東條英機と反目した風雲児の生涯を描く!「王道楽土」「五族協和」の旗印を掲げて満蒙の曠野に理想郷を建設すべく満州事変を企画演出し、主役までも演じて新国家を誕生させながら理想と現実の乖離に苦悩し、失意の日々を送る世紀の風雲児の生涯。
目次
第1章 大器の構造
第2章 毒舌と奇行
第3章 国境の風雲
第4章 幻の理想郷
第5章 軍閥の相剋
第6章 怨念の火花
第7章 亡国への道
第8章 勝者と敗者と
1 ~ 1件/全1件
- 評価
Mapleleaf本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ZEPPELIN
3
お隣の山形出身であったということで、それだけで親近感が湧く。夏目漱石の「坊っちゃん」を連想させるような、正に我が道を行った人。少々石原さんを持ち上げすぎな文章も多いし、反対に東條さんはあまり良く書かないのでバランスは悪いのだけれど、戦後は「自分も戦犯にしろ」「一番の戦犯は原爆落としたトルーマン」「そもそもペリーが日本を開国させたのが悪い」と、物を言える日本人であったところに心を動かされる。こんな論理的な話の出来る人、そりゃ東京裁判に呼ばれませんわと大いに納得2014/09/08
青色夜ふかし
2
歴史的評価は横に置くとして、石原莞爾は、先見性あり、指導力抜群、人に対して繊細、才能の人だ。が、しかし、非常に残念ながら組織人として、いまひとつなおじさんだっただろうな。本質的とはいえ、損得なく歯に絹着せぬ発言をすれば、上司からも煙たがられるのは仕方がない。 戦争請負人。戦争計画のプロ。負けない戦争。ただその戦争が後の世の中にどんな影響をもたらしたのか。 『生涯連隊長』兵と共に生きる。 日蓮主義。田中智学。行動の規範は法華経にあったのだろう。2017/08/23
hatagi59
2
才能豊かというか、頭脳明晰な人が太平洋戦争時の日本陸軍にいたんだね。石原さんが参謀長で太平洋戦争戦ったらどうであったろうか。権力に一切媚びずに自分の信念通りに行動出来る点も素晴らしいな。2013/12/18
くすりん
1
石原莞爾。ヤバイ人だ。これまた圧倒的なリーダーシップがある。そのリーダーシップを支える芯の様な物がある。人として生きていく信念や理念がくっきりと見える。明治〜昭和初期の人達ってこんな人が多いね。 この人に関しては、他の視点もあるかもしれないが。2017/06/15
はるき
0
石原莞爾ほど、「この人のように生きたい!!」と強烈に思わせられた人物はいない。 彼の、強きをくじき、弱きを慈しむ態度は、人類の模範であると確信している。 彼の尊敬すべき所はここだけではない。人格者であると同時に、他の追随を許さない超越した見識と頭脳を持っている。 天は二物を与えずと言うが、天は石原には、かくも優しい心と、かくも素晴らしい頭脳の二物を与えたもうたようだ。 何はともあれ、本書を読んだ読者は、石原の人格と思想・思考、その生き様に魅了される事は間違いない。2015/08/09