内容説明
弾薬・燃料・糧食にトイレットペーパーから暗視ゴーグル用の単三電池まで―膨大な物資補給に始まり、兵器の整備・調達、人員の輸送・配置、衛生管理、基地建設などなど…ハイテク軍隊に不可欠な現代の「兵站」を考察する。
目次
第1章 戦闘部隊だけでは戦はできぬ
第2章 人員・装備・物資の輸送にまつわるあれこれ
第3章 軍事作戦を支える物資と、食う寝るところに住むところ
第4章 装備・物資の調達に関するあれこれ
第5章 装備・物資の事前集積・事前配備
第6章 装備品がフルに能力を発揮するために必要なあれこれ
著者等紹介
井上孝司[イノウエコウジ]
テクニカルライター。1966年生まれ、マイクロソフト(株)などを経て、1999年春に独立。当初はIT関連分野で書籍・雑誌記事などの執筆からスタート、さらにIT教育分野や航空戦ゲームソフトの監修などにも進出。その後、『戦うコンピュータ』(毎日コミュニケーションズ、現マイナビ)の刊行をきっかけにして航空・軍事分野に進出、さらに「エアワールド」「Jwings」「航空ファン」「航空情報」「丸」「軍事研究」など各誌で執筆活動を展開中(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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Arisaku_0225
11
ロシアウクライナ戦争、湾岸戦争、第二次世界大戦等など戦争を語る際の多くは政治や国際関係といった壮大なレベルと兵器や戦術レベルのミクロなレベルが多くてその「中間」はあまり注目されてない印象である。すなわち、戦場でドンパチする為に物資や人、情報をどのように届けるのかという問題である。戦争は戦闘部隊だけでは出来ないし、上層部がいきなり「やれ」と言った直後に出来るものでは無い。本書では、戦場で戦闘部隊のスペックを十分に発揮させるために考えるべきことが陸海空バランスよく解説されている。2023/07/13
むらきち
7
1コ師団分の装備等と物資は10万トン。2万人いるとすれば1日2千トンの補給が必要。この大量の人とモノを集めて運んで配らなければならない。調達して、効率よく積み込んで、何処に送るか、どれだけ下ろすか管理して、積み替えの時に支障ないようにしなければならない。運ぶモノも多種多様ですが、間違えたら最前線の兵士が困るどころでは済まない。そのあたりの話が詳しく書かれています。また、新しい装備品の調達や、整備、燃料の種類の話なども色々。あまり聞けない話なので、とても面白かった。2018/09/12
蟹
3
とても興味深かった。ロジスティクスというと物流を想像しがちだが、これを広い意味でとらえて、整備や契約、人事・教育といった分野についても触れている。陸海空に偏りなく言及しているのも良い。どうしてもハードウェアの話が多くなるのと、米軍の事例が多くなるのは致し方ないか。2017/05/10
たろーたん
2
戦争をする時って戦う以上に、その戦いを支えることが重要になる。「食べる・出す・寝る」施設が必要になるし、風呂・シャワー、洗濯だってしなくてはいけない。増援、食料・水、燃料・武器・弾薬、修理パーツを送らねばならず、前線からは死者の移送、損傷した装備、空になったコンテナ、捕虜などを持って帰らないといけない。自国内ならともかく他国でやると相当しんどい。道路が舗装してないかもだしね。補給が上手くいかないと作戦全体が失敗することもあるし、何より戦う存在ではないため脆弱性も高い。意外とここをつく戦略がいいのでは?2022/01/22
へろへろ
2
支援業務の重要性、戦場に人とものが運ばれなければ、戦争で戦えない。滞りなく流れないといけないわけだ。それでどうするか、各国は考える。太平洋戦争時、精神論でなんとか誤魔化そうとした日本軍が、勝てるわけないのである。2021/02/06
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