内容説明
1946年2月27日、上海で注目すべき戦犯裁判が開廷した。被告はドゥーリトル爆撃隊員に無差別爆撃の国際法違反として有罪判決を下した日本陸軍判事ら4名。全員の極刑を求める検察側、緻密な弁論で対抗する日米の弁護人、信念に従って尋問に答える被告たち、本国政府の圧力に抗して公正な裁判を維持しようとする米人裁判長―息詰まるような公判の末、ついに裁判は予想外の展開を見せる!「こんなに素晴らしい裁判は初めてだ」と裁判長に言わしめた知られざる戦犯裁判の全貌を、被告となった陸軍将校を父に持つ著者が詳細に描く。
目次
第1部 戦争(ドゥーリトル事件とは何か;日本初空襲はいかにおこなわれたか;米軍による「報復」裁判の準備)
第2部 戦時法規(「軍律」による「戦争犯罪人」の裁判;国際条約の成立;戦争犯罪の責任を負うべき者;無差別爆撃の現実;米機搭乗員の処刑問題;日本の「軍律」はいかに制定されたか;ドゥーリトル隊飛行士の裁判)
第3部 軍事裁判(上海の米軍事法廷;各被告に対する個別尋問;各被告の訴因の証拠検討;弁護側の最終弁論;検察側の最終論告;最終判決)
第4部 平和(半世紀の傷痕)
付録 BC級戦犯裁判について
著者等紹介
岡田舜平[オカダシュンペイ]
昭和6年2月17日東京府渋谷区に生まれる。昭和18年都立第十中学入学。昭和19年愛知県立西尾中学転校。昭和23年第一高等学校入学。昭和24年東京大学哲学科入学。昭和28年時事通信社入社。昭和32年ドイツ特派員を経て出版局長、監査役。昭和62年時事通信社退職。平成20年11月3日歿(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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