内容説明
「戦前の日本人はアメリカの国力を知らなかった」「戦中の日本人はみな神懸かっていた」は本当か?―「日米未来戦記」がブームだった昭和初期、“来るべき戦争”を論じた現役軍人・軍事評論家らの著作を読み解き、俗説を打ち砕く。
目次
『われ等若し戦はば』を読む―平田晋策・著(昭和八年八月発行/講談社)
『米國海軍の眞相』を読む―財団法人有終會・編(昭和七年十一月発行/創造社)
『日米果して戦ふか』を読む―石丸藤太・著(昭和六年八月発行/春秋社)
『昭和十年頃に起る日本對世界戦争』を読む―石丸藤太・著(昭和七年五月発行/日月社)
『日本は勝つ』を読む―福永恭助・著(昭和十八年五月発行/高山書院)
著者等紹介
北村賢志[キタムラケンシ]
昭和45年、千葉県に生まれ、その後、兵庫県にて育つ。兵庫県立加古川東高校から近畿大学に進み、卒業後、大手電気工事会社に勤務。小学校以来の読書好きが高じ、つぎつぎに戦記、仮想戦記を読み漁るが、それらの内容に関して抱いた疑問、不満を解消すべく自らも戦史の研究を始める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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tsuyoshi1_48
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戦前・戦中における日米戦争に関する書物を5冊採り上げ、その内容を論評。気づきとしては、①実際には非常に冷静で客観的な分析が、一部でなされていたということ②「日本は勝つ」的な、後知恵で荒唐無稽に思える議論すら実は局所的にはロジックが成立しており、もっともらしく見えることの2点。著者もバブル渦中の投機熱を類似例として対比し、議論を展開しています。つまり、過去の経験に学ぼうと努力しても、同種の過ちを回避できるか否かは不確実であるということがいえます。人は歴史から学べないものなのか。。。2010/04/10
くらーく
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ここまで分かっていたら、なぜ戦ったのかと。 世界、時代が、日米の戦争を求めていたという受動的考えと、最初から日米とも戦争をする気でいた結果という能動的な考え方になるか。 2014/09/06