内容説明
知られざる沖縄地上戦最大の戦い―その攻略に多大な犠牲を払い、のちに米海兵隊の聖地とされた小さな丘を巡る熾烈な戦闘を最前線の兵士の目線で再現するドキュメンタリー。
目次
沖縄戦
海兵隊、南へ
G中隊、シュガーローフへ
攻撃続行
夜間攻撃
逆襲
最前線
惨敗
E中隊の試練の日
シュガーローフ陥る
第四海兵連隊の投入
苦い勝利
忘れ去られた兵士たち
著者等紹介
ハラス,ジェームス・H.[ハラス,ジェームスH.][Hallas,James H.]
コネチカット州グラストンバリーの新聞、Glastonbury Citizen紙の編集者。“American History Illustrated”および、“Yankee Magazine”誌に記事を執筆している
猿渡青児[サワタリセイジ]
1965年生まれ、熊本県出身、東京都多摩市在住。都内のエンジニアリング系の会社に勤務(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
yooou
7
☆☆☆☆★ 凄惨という以外に言葉が浮かばない。これ程双方で血を流して戦っていたことが歴史の間に埋もれている。しかもこれがつい最近の出来事であることに慄く。仕事が辛いとか大変とか言っている今はなんて平和で幸せな時代なんだと痛感しました。2017/01/13
dart
2
思いがけず良本に出会いました。 沖縄で戦った日本軍は一線部隊の歩兵は少なく、持久戦の道を選んだわけですが それでも尚且つ、ここまでアメリカ軍 とりわけ 米海兵隊と互角以上の戦闘を展開したわけです。作中で海兵隊将校が補充兵のレクチャーで 「いいかよく聞け、もしお前らの誰かが、日本兵の弾なんてまっすぐ飛ばないなんて大口叩きやがったら 、やつらの代わりに俺がお前らの眉間に弾を撃ち込んでやる」 とここまで言わしめたのは敵に対する、畏敬の念の発露だったのでしょう。 是非一読して戦没した英霊に思いを致して欲しいです。2012/02/15
ottohseijin
2
ひたすら現場の兵士の証言を積み重ねて描かれた戦場は、吐き気を催すような残酷さに満ちている。沖縄戦は、11万の戦死者を出した日本側だけでなく、勝利したとはいえ1万2千人もの戦死者を出した米兵にとっても地獄だったのだと実感した。「沖縄 悲遇の作戦」を敵側からみるために読んだのだけど、それ以上のものでした。2009/03/26
ひろゆき
1
沖縄戦の激戦地、シュガーローフと名付けられた小さな丘をめぐる攻防を、元海兵隊員達の証言で構成した本。日本兵はこの丘に限らずあちこちで多数死んだが、アメリカ兵は特にこの攻防で高い戦傷率を出したため、日本よりも思い入れは深いよう。丘の稜線は砲爆にさらされるため、日米互いに裾野にしがみつき、稜線を挟んで手榴弾、迫撃砲、小火器で戦う。アメリカは物量を生かせず、戦力逐次投入が苦戦の原因。独、露なら被害おかまいなしに戦車による迂回攻撃で終わりにするのに、安全優先アメリカが逆に被害を増した感じ。生死紙一重の臨場感は凄い2012/02/16
Yoshitaka Shindoh
0
「沖縄戦」で行われた、史上最悪の地上戦。こういった戦いがもう起こらないような世の中になりますように…。