内容説明
ナポレオン戦争の真っ只中、スペインの大地に怒涛の如く突進するフランスの大軍。戦友が、部下が、一人、また一人と失われる。絶体絶命の窮地に立つ英国陸軍将校リチャード・シャープ。屈辱と挫折の果てに、軍旗『イーグル』を奪還すべく立ち上がる。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ケイ
126
イーグル=鷹の軍旗。1809年ナポレオン率いるフランス軍と戦うため、イギリス軍はポルトガルからスペインを経てフランスに向かう。裸一貫から出世して中尉となった32歳のイギリス人シャープと、彼の忠実なアイルランド人の部下ハーパー軍曹。前線で戦う彼らの後ろ盾は、あのウェリントン卿。彼ら二人は第九十五連隊。つまり作者はこの自らが作り上げた二人をワーテルローに連れて行くのだ。さて、舞台はまだスペイン。シリーズは始まったばかりで楽しみだ。シャープが女に対して、峰不二子に対するルパンみたいで不甲斐ないのが気になるが。2017/07/10
まふ
111
スペイン制圧を目指すナポレオンのフランス軍に対するスペイン王室軍とイギリス連合軍の戦いを描いた戦争冒険物語。たたき上げの中尉リチャード・シャープがハーパー軍曹とのコンビでナポレオン軍を壊滅させて鷲の軍旗を奪う。その間第95ライフル銃連隊内部では家門と権威をかさに着る上司サー・ヘンリー・シマ―ソン中佐とその取り巻きがシャープをことごとく排除しようとするが、実戦力のあるシャープはこの難関を見事にクリアして大尉に昇進する。ヘミングウエイの戦争を想起しながら読んだが、とにかく痛快冒険小説であった。G1000。2024/01/04
NAO
75
実践能力はあるのに功績もあげているのに貧しいからなかなか昇進できない者がいて、一方では、実績もないのに金の力で昇進していく者がいる。それは、何も、軍隊だけの話ではない。こういった不条理に、人はどうやって対処していけばいいのか。それはもう地道に自分の信じる道を進むしかないのだが、なかなかそれが思うようには行かないからこそ、こんな風にたたき上げの軍人シャープが金で位を買っただけの見栄っ張りなシマーソンや彼の甥ギボンズに真っ向から立ち向かっていく姿を見てるとすかっとするのだろう。 2019/07/18
日系フサリア人
1
戦列歩兵いいぜ2017/02/01
まろ
1
少し読みにくかったけれど、その内気にならなくなった。ナポレオン戦争時代の戦いが、まるで目の前で行なわれているかのよう。多彩な人物のおもしろさ。権力のある相手を敵に回しての主人公の活躍に胸のすく思い。2011/11/15
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