感想・レビュー
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たけぽん
1
題名が原著や改版の「予科練魂−艦隊水偵隊死闘の記録」「死闘の水偵隊」から比較すると勇壮な文句を随分と盛り込んだものに改められているが、著者の語り口は全体に飄々としたものである。日本海軍組織の下士官兵と士官将官との隔たりは、士官学校並と誤解された「予科練」出身の著者による本書でも幾多の海戦・作戦の失策と共に語られ、その結が宇垣纒中将の特攻出撃の場面に表されている。しかしそういった部分は別として、三座水上偵察機操縦者としての詳細な戦歴に冒険譚のようなかっこいいと思う感情を抱いてしまうのを禁じえない。2016/01/01