内容説明
「二重スパイ」と疑われて日本軍にまでも尾行されながら、つねに正義を愛し、人間を愛した気骨の男の一代記。軍人でありながら、目の位置を低く保ち、中国人民の人権・風習を尊重して厚い信任を得、抜群の情報を収集した人情憲兵の物語。
目次
１ 反骨精神
２ 「赤紙」来たる
３ 憲兵として
４ 北支へ
５ 軍紀の腐敗
６ 治安工作
７ 「滅共班」創設
８ 「空室清野」作戦
９ 三光作戦
１０ アジア・太平洋戦争
１１ 敗戦情報
１２ 引き揚げ
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
のぼりけんたろう
1
日中戦争を憲兵の立場から見てきた森本氏の語る言葉には、かの戦争の「言われているよりも酷くなかった」面と「やっぱり酷かった」面とが混ぜこぜになっており、現実とはそういうものだと思わされる。一方で日本軍が残虐行為に走ったメカニズムや末期における軍紀の乱れの原因など、説得力がある。レッテル貼りは楽だが、一つ一つの事象から将来への教訓なりを得ていくしかないことを痛感させられる。2015/05/25
