内容説明
対日戦の切り札、戦略爆撃機B29とM69焼夷弾。その日、ルメイをはじめとする将兵たちの苦悩と恐怖。日米両国の貴重な資料と証言をもとに、東京大空爆がどのように計画、実施されたかを解き明かす。
目次
第1章 新兵器開発
第2章 戦略暗号「アッターホーン」
第3章 マリアナ発進
第4章 東京大空爆
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
たまきら
15
日本が戦時中に出していた「防空新聞」や「週報」を読みつつこの本を読むと、日本なりにがんばって研究はしていたんだろうけど、根性論や全体主義が科学的な考察をはるかに上回っており、敵に対する情報を片っ端から集め、多大な予算をかけて研究し、非常に合理的な殺戮兵器を開発しているアメリカの戦争屋さんのプロっぷりにはかなわないな、と思いました。ま、大衆本と戦史比較しちゃダメか。餅は餅屋、じゃないけど、親子代々海兵隊とか、陸軍です、みたいなプロフェッショナルを多数抱えている国が「壊滅」を目標にするとこうなるんだな…。2016/02/15
む
1
日本側では「東京大空襲」の日である昭和20年3月10日、東京を「空爆」した男たちの物語。私の生まれ育った東京の下町が焼滅していく記述は正直吐き気がするが、アメリカ側の事情は初めて知る話も多かった。「戦災」である以上、降って湧いた災害のような語り方で終わらせず、その向こう側でなにが起こっていたか知らなければならないなと改めて感じる。2018/11/08
tecchan
1
20年以上前の古本。1945.3.10東京大空襲がどのように計画され実行に移されたかをアメリカの視点から描いたノンフィクション。B29や新型焼夷弾等の開発にいかに苦労したか、空爆の実施にあたっての課題をどのように克服したか、多くの犠牲を払ったかなどが語られるが、一般市民への無差別爆撃という蛮行は絶対許されるものではない。2017/06/07