内容説明
「その他の減員」として片付けられ、今日に至るまで隠蔽され続ける第二次世界大戦末期、最大のナゾを克明に白日下に晒し、その惨劇と責任の所在を解明して最後の審判を世に問う、カナダでベストセラー、アメリカで出版拒否の衝撃の一冊。
目次
第1章 ドイツ処分
第2章 失われた庇護の手
第3章 公表を禁ず―別扱いの捕虜
第4章 敗者無惨
第5章 飢餓の夏
第6章 援助妨害
第7章 緩慢死のキャンプ
第8章 真相糊塗
第9章 フランスの場合
第10章 英国とカナダの場合
第11章 神話、嘘、歴史
第12章 めくばせとうなずきのうちに
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
こぽぞう☆
17
ソ連によるシベリア抑留のようなことが、米軍及び仏軍のもとでも行われていた。実に戦争捕虜と一部民間人を含めたドイツ人が捕虜収容所で100万人も死亡している。驚くべきことでもないが、見事に隠し通してきたものだ。ソ連の場合は、戦後の冷戦下で非難しやすかったから、表に出たが、米国のしたことはそうはいかなかったということ。原題はOther Losses その他の減員。記録には死亡とは書かれていない。2017/01/18
メロン泥棒
0
連合軍によるドイツ人捕虜収容所の実態。とても興味深い。ドイツ人捕虜収容所は野ざらしで食事も十分に与えられず、病気の蔓延し餓死者も多数いたらしい。便宜上捕虜の身分を変更して米軍に責任が無いように捕虜身分の変更を行ったり、食料の供給を積極的に行わなかったりたり、釈放をしなかったりと何もしないという作為がそこにはあった。ナチスドイツがした強制収容所があるため、ドイツが捕虜の取り扱いに対して強い態度に出られないという一面もあったそうだ。戦争における人間の心理を知る上でしっかりと調査すべきテーマだと思う。2010/08/29