著者等紹介
小林敏也[コバヤシトシヤ]
1947年静岡県焼津市に生まれる。1970年東京芸術大学工芸科卒業。デザイナーかつイラストレーター。イラストレーションの周辺をも視野に入れたトータルな絵本づくりをめざし青梅に山猫あとりゑを営む。2003年画本宮澤賢治シリーズにより第十三回宮澤賢治賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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♪みどりpiyopiyo♪
31
『銀河鉄道の夜』の挿絵を楽しむ本 読み比べ。図書館で検索して何冊か借りてきました。■小林敏也さんの絵は、人物の顔がやけにリアルで ちょっとこわかった〜 :;(∩´﹏`∩);: 横尾忠則とかガロとかが想起されました。■最後の方は絵に文字がかかって、灰色地に黒い細い文字が読みにくかったです。(2015年)2018/09/09
陽子
27
省略なく小説文をそのままでの絵本。厚い。版画の挿絵が黒色から始まり様々色づいていく。単調な色彩が時に真っ赤になり、多色とは異なる強い視覚印象で迫ってきた。子供時代には困難を感じた本だった。しかし、大人になって挿絵と共に再読するとイメージが広がる。ジョバンニがカムパネラに抱く友情と、心に秘める孤独。この世とは思えないような色彩的な表現とイマジネーションを喚起させる汽車の窓からの情景は彼らの心象風景なのか。夜空の星座めぐりをするような不思議な夢想旅。読後はなんとも胸が切なかった。「冬の星座」の歌を思いだした。2020/02/15
クラムボン
16
小林敏也の「画本(えほん) 宮澤賢治」シリーズの一冊。今までに数冊読んだことがあるが、「銀河鉄道の夜」はとにかく手間を惜しまず、作品の完成度に徹底的に拘ったことが伺える。原作は賢治が西欧の国をイメージして拵えた世界だと思うが、小林さんの絵には戦前の日本がそのまま立ち現れる。ジョバンニも、カンパネルラも、ザネリも、きかん気の強そうなゴツゴツした顔つきをしている。原作の持つ都会的なイメージを排した土臭い独特の画面は腰が据わって、相当に挑戦的だ。2023/10/12
絵本専門士 おはなし会 芽ぶっく
12
『大人が読みたい絵本500』 https://bookmeter.com/books/10792865 で紹介されていた。【旅にでたいとき】 おはなしは他の本で読んでますが、この紹介がなければ出会えなかった絵本。2021/02/05
葉っぱかさかさ
12
すごくいい本だと思いました。原作に忠実に本を作ろうという思いが強く伝わります。賞をいただいて、改めて昨年出版されたようですね。文章だけではイメージしきれないもどかしさを、絵が支えて物語を読ませてくれる感じがしました。いろいろ、読み比べてみると面白いかな〜と、思いました。2016/01/10