著者等紹介
エッツ,マリー・ホール[エッツ,マリーホール] [Ets,Marie Hall]
1893‐1984。アメリカ、ウィスコンシン州生まれ。ニューヨークの美術学校を卒業後、サンフランシスコでインテリアの仕事に就き、そのかたわら、セツルメント活動をはじめる。その後、社会福祉の仕事を志し、シカゴ大学で社会学を学びながら、シカゴ・コモンズ・セツルメント・ハウスで約10年間、同活動に従事。赤十字社の派遣員として旧チェコスロバキア共和国へ児童保健施設を開設しにも行った。コロンビア大学の大学院で児童心理学を学ぶと、デビュー作『ペニーさん』(徳間書店)を発表
こみやゆう[コミヤユウ]
小宮由。1974‐。翻訳家。東京都生まれ。東京・阿佐ケ谷で家庭文庫「このあの文庫」を主宰(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
1 ~ 1件/全1件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
遠い日
24
移民の暮らしにくい生活がリアルに描かれる。ことばの壁を越えないことには、仕事もしつけも教育もままならない。金を稼ぐために家庭の崩壊が起こり、放任されたロベルトが子どもとして成長していくまでの物語。エッツの持ち味の幻想的なイメージがしない本作は、エッツの実体験に基づくものであると知って納得。教育の大切さ、環境の大切さをひしひしと感じる。2016/04/06
ヒラP@ehon.gohon
21
メキシコからアメリカに移民してきた家族の、さまざまな葛藤や心の育ちが淡々と描かれていて、移民問題を考えさせられる作品になっています。2016/04/13
絵本専門士 おはなし会 芽ぶっく
16
アメリカで暮らすロベルト家族はメキシコ移民。スペイン語しか話せません。ある日、お父さんとけんかになったお母さんが家を出てしまい、ロベルトは、昼間ひとりぼっちで過ごす時間が長くなり、おまわりさんがこどもセンターに行くことを教えられます。そこでも言葉の分からないロベルトのいたずらぶりに、最初はうまくいかなかったのですが、友達ができ、少しずつ英語を覚えはじめ、たどたとしい英語で「てがみ」を書くことにしました。その手紙は家を出たお母さんに宛てたものでした…。 「コミュニケーション力を育む」絵本2020/01/29
ツキノ
16
ロベルトのおかあさんに宛てた手紙が家族をひとつにする。メキシコからの移民の子どもの実情もよくわかるし、ことばが通じない苛立ちがロベルトを傍若無人にしているのもわかる。そしてことばや文字を覚える喜びも。そして子どもにとって家庭以外の居場所(ロベルトの場合は子どもセンターと呼ばれる施設)の重要さも。肌の色、まわりの景色にうっすらと使ったブラウン系の色が効いている。2016/03/24
マツユキ
11
ロベルトは、5人兄弟の真ん中。メキシコからやってきた両親は、英語が話せず、家ではスペイン語。上の兄姉が小学校に行って、英語が話せるようになったが、ロベルトは外でイタズラを注意されても、分からず…。作者が出会った少年がモデルになっているそうです。確かに悪い事をやっているんだけど、良い笑顔。繋がる所に繋がって、ロベルトも、家族も、良かった。2021/10/14
-
- 和書
- 宇宙製造者 ハヤカワ文庫