内容説明
決してプロパガンダ映画だけではない隣国映画全調査。北にだって面白い映画もある、怪獣映画やアニメもある、国際映画祭だってあるのだ。本書でその全貌がわかる。知られざる隣国の、知られざる映画史。
目次
朝鮮映画とは何か
前史―日本統治下の朝鮮映画
北朝鮮映画の成立―建設期の映画と戦時下の映画
朝鮮戦争期の映画製作
戦後の復興期―千里馬映画の開始
一九六〇年代の社会主義リアリズム
在日朝鮮人・日本人の活動
映画製作と配給、映画人の育成
指導者の映画事業参与
一九七〇年代の映画―チュチェ映画の確立
金正日のジレンマと新たな改革 申相玉の導入
チュチェ映画の全盛期 一九八〇年代の映画
国際連携
金日成一族の神格化 首領形象映画
時代劇、ドキュメンタリー、アニメーション
一九九〇年代以降の映画 金正日時代(遺言統治期~先軍期)
南北交流、外国映画人の開放
著者等紹介
門間貴志[モンマタカシ]
1964年、秋田県生まれ。明治学院大学准教授。多摩美術大学卒。西武百貨店、山形国際ドキュメンタリー映画祭東京事務局を経て現職。東アジア圏を中心に映画の研究を行なっている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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garth
8
世界初の北朝鮮映画通史。単なる鎖国による平坦なプロパガンダ映画としてではなく、隣国との相互作用によるダイナミックな映画史が描かれる。それにつけても映画独裁者金正日の興味深さよ。「実際の金正日がどんな人なのかは知らない。彼のことを好きだと言うのは語弊があるが、個人的には興味深い面もあり、一度会って映画について話をしたかったという気持ちもないではない」2012/06/01
岸野令子
3
充実した内容です。日本人は隣国の映画史と深く関わっていることをもっと知らないといけませんね。これは北朝鮮の方にも喜ばれる貴重な労作と思います。別に北をヨイショしてる内容ではないですが、こういうまとまった文献はないと思うのです。 2012/07/06