出版社内容情報
日本の自立生活運動、障害者政策をけん引してきた著者による、80年~2010年代の障害者運動の総括。20世紀最後の人権闘争と言われた「障害者運動」が社会にもたらしたものを明らかにする。
内容説明
頼山陽が絶賛した耶馬溪を南部にひかえ、肥沃な中津平野が広がる。新しい世を切り開いた黒田官兵衛・前野良沢・福澤諭吉らで知られる中津には、今も先取の精神が充ち満ちる。
目次
第1章 中津藩の始まり―黒田・細川時代 黒田氏と細川氏が藩体制の基礎を築く。(戦国の動乱と黒田官兵衛;九州仕置と国人一揆 ほか)
第2章 小笠原氏の入封と治世―細川氏の旧領を小笠原氏が四家で分割し、中津藩が成立した。(初代藩主小笠原長次;長次の政治 ほか)
第3章 奥平氏の入封と治世―譜代大名奥平家による百五十年の領国経営。(譜代の名門・奥平家;奥平家十万石の治政 ほか)
第4章 蘭学の泉湧き、文化の華開く―藩主による学問の奨励で多くの蘭学者・文化人が輩出。(蘭学の泉湧く;儒学の発展と藩校進脩館創設 ほか)
第5章 幕末の動乱、そして近代へ―日本近代化の父・福澤諭吉を生んだ幕末の中津藩。(激動期の中津藩;近代社会の成立と中津隊の蜂起 ほか)
著者等紹介
三谷紘平[ミタニコウヘイ]
昭和57年(1982)大分県別府市生まれ。別府大学大学院文学研究科文化財学専攻博士後期課程満期退学。現在、中津市教育委員会文化財課に勤務(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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金監禾重
6
中津藩は4家が治めたが、なかなか個性的である。まずは築城の名手「軍師」官兵衛(著者が自治体職員だからか軍師と言い切る)が城を築き、謀殺という血なまぐさい逸話を残した。次の細川家は関ヶ原の戦いの功で豊前一国を超える大領土を形成した。このまま幕末を迎えていたら、一県として残ったのではないだろうか(長州征伐で幕府が勝ってしまうかも)。細川が肥後熊本に栄転すると、大領土は分割されたが、代わりに入ったのは譜代で家康の子孫でもある小笠原一族である。大坂の陣で前当主と現当主の2代が討ち死にするという忠義を遂げた。(続)2022/04/28
志村真幸
1
「シリーズ藩物語」の一冊。 著者は中津市歴史博物館の学芸員。 藩祖と位置づけられる黒田官兵衛と、その息子の黒田長政、乱行の多かった小笠原氏時代、幕末まで続く奥平氏と、中津藩の歴史がひととおり分かるようになっている。書きぶりは堅実。政治史を中心に、多方面に目配りしながら、よく整理してある。 江戸後期から開明的な君主が出たこともあり、蘭学、なかでも西洋医学が発達し、福沢諭吉へつながっていく流れもよく理解できた。 図や写真やコラムも充実しており、中津藩のイメージが具体的に浮かんでくる一冊であった。2022/06/02