内容説明
伊達から上杉。大削封の中で艱難辛苦。矜持を保ち、鷹山の改革思想は脈々と続く。百二十万石から十五万石に、家臣を捨てず君臣・領民共に苦難に挑む。興譲館、実学の奨励は、米沢人の基となった。
目次
第1章 伊達家の本拠地米沢―奥羽の半分以上を制した政宗は、秀吉の仕置で生誕の地米沢を去ることになる。
第2章 上杉、越後から会津、米沢へ―上杉景勝、百二十万石から三十万石へ、諦観の胸中は察するに余りある。
第3章 鷹山の登場―藩政困窮のなか、聡明の評高い鷹山が藩主に迎えられる。
第4章 鷹山の改革―鷹山の改革が始まったが若くして隠居する、この思慮は。
第5章 寛政の改革―鷹山の再改革が米沢の地に大きな花を咲かせる。
第6章 鷹山の学問と思想―鷹山の実学は現代まで続く思想である。
第7章 幕末維新の米沢藩
著者等紹介
小野榮[オノサカエ]
昭和3年(1928)山形県米沢市生まれ。米沢市広報課長・観光課長を経て、米沢市史編纂主幹。現在、上杉文化振興財団副理事長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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y yoshi (イツモ ホンヲ ハナシマセンデシタ)
4
なんか可哀想な藩。2019/12/18
ポニョ駅長
0
伊達政宗の飛躍の地であり、上杉景勝の終の棲家となった米沢藩。 120万石から30万石、果ては15万石へと石高を減らされながらも、関ヶ原以来の家臣を守り続ける誇り高い藩ですが、その気高さは次第に見栄へと変質していき、領地返上寸前まで追い込まれてしまいます。 終始財政難に悩まされた藩でしたが、彼のルーズベルト大統領が絶賛した名君・上杉鷹山や、沖縄県令として環境改善に尽力した最後の藩主・上杉茂憲といった名君が登場しており、江戸時代を代表する藩であったことは間違いないでしょう。2015/10/27
Oga
0
米沢市の観光のために読んだ。景勝に始まった上杉氏の米沢支配の歴史。米沢藩は領民に占める武士が多いことに特徴がある。会津百二十万石の時代から米沢十五万石となっても家臣数を維持しているのは異常と言える。それゆえ窮乏生活を余儀なくされたが、鷹山の改革などによりなんとか財政を保った。セオドアルーズベルトも上杉鷹山を政治家として尊敬しているらしい。よく聞く「為せば成る」はの精神を貫いた人だった。「興譲館」がとても良い名前だと思った。2024/08/18