内容説明
スペインに行ったことのないスペイン語教師、スペインに行かずしてどこへ行く!?スペイン語から始まり、ラテンアメリカを経て、日本へ。語学から始まる多様な“旅”を明るく、ときにユーモラスに活写する。
目次
第1部 教室の日々(嗚呼、君の名は「スペイン」語!―言語の名称について;スペイン語、画竜点睛す―アルファベット・発音・アクセントについて;音引きをめぐる攻防―アクセント外伝 ほか)
第2部 ラテンアメリカの日々(いざ!留学―それは肩すかしで始まった;気がつけば「なんとなく」ペルー人―語学はかく上達せり;身分証拝見!―社会のセキュリティについて ほか)
第3部 “日本”の日々(喧噪の車内・静寂の車内、それぞれの闘争―「公共の場」をめぐって;ケ・ビ~ボ!―ラテンアメリカ・日本対抗、「ずる賢さ」合戦;車が真っ赤に染まった日!?―スペイン語教師、損保と闘うの巻 ほか)
著者等紹介
後藤雄介[ゴトウユウスケ]
1964年、埼玉県生まれ。東京外国語大学外国語学部スペイン語学科卒。同大学大学院地域研究研究科修士課程修了。一橋大学大学院社会学研究科博士課程単位取得退学。1990‐91年、ペルー・カトリック大学留学。青山学院大学文学部専任講師を経て、早稲田大学教育学部複合文化学科准教授。ラテンアメリカ思想文化史専攻(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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つるる
5
まるで先生本人が語っているような軽妙な調子で綴られており、すいすいと愉快に読める。しかもただ面白いだけではない。時にはペルーと日本の文化を真面目に比較し、その経験を通して日本の制度に対する重い疑問も投げかけているのだ。サラッと読めるのにところどころでしっかりと心に引っかかりを残していくのは、彼の豊富な経験と卓越した言葉のセンスのなせる技なのでしょう。 私は大学入学前の春に偶然この本に出会いスペイン語を選択しようと決め、その数年後にはペルーにまで行きました。この本がなかったら私の大学生活はなかったのだなぁ。2019/10/02
サアベドラ
4
サブタイトルには南米・日本文化模様と書いてあるが、実際は著者がラテンアメリカ研究者兼スペイン語学教師になるまでの半生と、なったあとに感じたよしなしごとを自由に綴ったエッセイ、といった感じの内容。「みんながやる言語は嫌だから」スペイン語を選び、「みんなが行かない」ペルーに留学するという徹底的なマイナー志向の著者。全体的に文章が明るいのでテンポよく読めるが、在日外国人、ペルーの先住民族の抱える問題などところどころ重いテーマにも触れている。割と楽しめたが、紙媒体で(笑)を多用するのは正直どうかと思います(笑)2011/04/14
Novo
1
ラテンアメリカ研究者によるスペイン語、留学、日本社会に関するエッセイ集。制度に流されず、飲み込まれず、自覚的に生きる術と、その大切さを教えてくれる。2009/04/21