内容説明
かつて女子プロレスの興行とタイアップして日本全国を回り、笑いを提供してきた小人プロレス。彼らの全盛期の活躍とその後の人生を徹底取材。
目次
武者震いのスイッチが突然切れた
殺さないでくれてありがとう
あいつ
黄色い猿
ミスター・ポーンの笑人生
白木みのるという小さな巨人
みせかけのヒューマニズム
小人という言葉
ミスターアンドミセス・ラスク
テン・カウントゴングは鳴らない〔ほか〕
著者等紹介
高部雨市[タカベウイチ]
1950年、東京生まれ。ルポライター。社会の表層から、置き去りにされた人々のルポルタージュを描く(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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kinkin
21
もう見ることがほとんど無くなった小人プロレス。言葉狩りで差別用語とやらで使えない、マスメディアの「良識」という名の差別のもとにテレビにも出られない。しかし彼らは異形とはいえ人間には変わりない。乙武洋匡という事実は昇華し小人レスラーという事実は隠蔽。彼らはあくまで観客のために尽くしてきた。本書内の竹中労が週刊誌に書いた「あえて身体的欠陥を逆手に取り壮絶に自己顕示する者小人プロレス彼らに戦士の称号はふさわしい」という言葉が印象に残った。2014/04/16
c
2
テーマは面白いのだが、二十年前の本が底本になっているのを差し引いても、ノンフィクションとしては欠陥品である。ひたすら対象に自己投影して陶酔しているだけだからだ。世間や世論の「差別」を声高に糾弾すること、それ自体が逆差別になるのではないかという当たり前の逡巡すら感じられない。こういった鈍感且つ傲慢な書き手は、例えそこがどんな現場であろうと、結局自分の見たいものしか見ない。内容と完全に乖離したタイトルが、その欠陥を端的に物語っているだろう。2010/08/22
りぃ
2
本文は「笑撃的」な話ではない。ミゼットプロレス=全女のチケット売り場にいて愛想が悪くて、というエピソードしか知らなかった自分にとっては知らないことばかり。2010/02/28
りえぞう
1
タイトルは『笑撃!』とついているが、何というか、かなり悲しい重い内容。昔は素直に笑えたのだろうなあ、きっと。ミャンマーかどこかで夕方散歩した時に、公園の該当スクリーンみたいなやつで、どこかの国の小人プロレスを延々と流していたのを思い出すが、またそこでも考え方が違うんだろうな。もうほとんど物理的な意味でも生き残っている人はいないような小人プロレスラーたち……何とも不思議な読後感だった。2021/07/29
UG akasaka
1
一気に読了しました。高部さんの小人プロレスへの真摯な態度が垣間見えて素晴らしいと思いました。 @h_ototake さんが色々と発言されている事にも触れられていました。また女子プロレスラーの長戸さんの小人プロレスへの思いも好感が持てました。面白かったです!未読の方は是非!2013/04/29