内容説明
八ヶ岳山麓の縄文中期の土器図像を神話文脈に変換する作業の中から、縄文図像、『古事記』、中世諏訪祭政体を通底して日本列島に強靱に持続する野生の神話思考を発掘する。
目次
第1章 土器図像と神話文脈(メドゥーサ型ランプと世界変換―曽利29号住居跡の香炉形土器;炎の中のむさぼる死神―穴場18号住居跡の香炉形土器;呼吸する縄文家屋―母胎としての家;縄文人と体液―哭きいさちることと月神話 ほか)
第2章 古諏訪祭政体の力動的コスモロジー(呪術の春―風の精霊と太陽光線;穴巣始と外来魂―古諏訪祭政体の冬季地下蛇体祭祀;山中謝肉祭へ―古諏訪祭政体の秋庵御狩神事;幼童・野獣王の冥界下降と大地涌出 ほか)
第3章 “山人論”“まれびと論”“異人論”をめぐる柳田國男・折口信夫・岡正雄の葛藤劇(異人論のふたり―岡正雄と折口信夫の邂逅)
著者等紹介
田中基[タナカモトイ]
1941年山口県に生まれる。民俗=民族学・考古学季刊誌『どるめん』編集のかたわら、「古部族研究会」の同人と共に古諏訪祭政体の研究を、「縄文造形研究会」の同人と共に、縄文中期の土器図像を神話文脈に変換する作業にとりかかる。現在、「山麓考古同好会」同人(井戸尻考古館内)。多摩美術大学芸術人類学研究所特別研究員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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