内容説明
かつて地下鉄はロシア社会の前衛だった。冷戦期から現在まで語り継がれる地下鉄の物語は、いかにしてロシア社会の夢と現実を映してきたのか。時代の中で展開してきたロシア・ユートピアの轍を日本人青年が描く。
目次
第1章 雀が丘の花嫁花婿
第2章 愛の船は暗礁に乗り上げた
第3章 暗闇に描かれたイメージ
第4章 路線が奏でる不協和音
第5章 地上と地下のコントラスト
第6章 劇場都市にひそむ美女と野獣
第7章 テロルとカオスのスパイラル
第8章 ストックホルム・シンドローム
第9章 不思議の国の地下鉄
第10章 鉄の迷宮に眠る秘密都市
第11章 アンダーグラウンドの詩学
著者等紹介
鈴木常浩[スズキツネヒロ]
1975年、福島県生まれ。京都造形芸術大学を中退し、沖縄で美術活動を始める。1998年から2002年までロシア・モスクワに滞在し建築を学ぶ
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
312
著者の鈴木常浩氏は建築を学ぶべく1998年から2002年までモスクワに在住。本書はその期間の滞在記であるが、ユニークなのはモスクワの地下鉄を定点に語っていること。モスクワには地下鉄が11路線、162駅(当時)あったようだが、彼はこの全線を踏破は当然として全駅についてレポートしている。ただ、惜しむらくは本書がどういう読者を対象に想定していたのかがよくわからないこと。本書にはモスクワの地下鉄マニアも登場するが、これはそうしたマニア向け?レポートは詳細なのだが、残念ながら今一つワクワクしないのである。2023/03/23
けいちか
3
著者との意見の相違があったのだが、こういう書籍が日本で出版されていることはいいことだ。
工藤 杳
2
モスクワの汚さがよく出ていて、とてもよい。2017/04/19
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