出版社内容情報
格闘マンガ・サイボーグマンガ・ロボットアニメにおけるキャラクターや物語の分析を通して、戦後から現在まで「戦い」の表象が人々に受容されてきたメカニズムを多角的に探る。「日本アニメーション学会賞2016奨励賞」受賞論文を大幅に改稿した好評書に、初版後に出版・作製されたマンガ・アニメ作品、新しい論考に対する見解を追記した増補版。
【目次】
序論
第1章 傷つく身体と戦う物語
1章1節 キャラクターが持つ二つの身体
1章2節 〈キャラ〉の強度を作り出す技術
1章3節 「プリキュア」シリーズにみる観客参加型ドラマの成立
第2章 戦う物語における主人公の身体
2章1節 転倒される「アトムの命題」
2章2節 「ジョーの命題」と「科学」の相克
2章3節 戦うマンガ・アニメの循環構造
第3章 格闘マンガの展開
3章1節 少年マンガと格闘マンガの親和性
3章2節 成文法と暗黙の法の対立
3章3節 格闘マンガの傷つかない身体
3章4節 男たちの絆が作り出す女性像
3章5節 ユートピアとしての格闘マンガ
第4章 サイボーグマンガの展開
4章1節 ボラ―であることの自覚と平和という価値観
4章2節 劣等感と優越感の混濁が生み出す戦闘共同体の絆
第5章 ロボットアニメの展開
5章1節 「リアルロボット」の登場
5章2節 ロボットアニメと理想のコミュニケーション
5章3節 絆への渇望が生み出す物語類型
結論
補注