内容説明
ユーラシアの人と暮らしと文明紀行。ルーズな列車運行、回りくどい値段交渉、手荷物の盗難、思わぬことが次々と…。でも、面白かった!写真家が書き、撮り、送る、地名と日付のある旅日誌。
目次
サハリン経由、ロシア極東の港町まで
中国国境を越えてハルビンへ
西域のウルムチまで中国を横断
カザフスタン、そしてウズベキスタンへ
寄り道をして、タジキスタンの旅
トルクメニスタンを抜けてイランに入国
とても居心地のよいイラン
宝物のような二つの都市
試練をくぐり抜け、イスタンブールに到着
厳しい現実を見るバルカン半島の旅〔ほか〕
著者等紹介
大木茂[オオキシゲル]
1947(昭和22)年、東京生まれ。1972年、早稲田大学理工学部卒業。学生時代に汽車を追いかけて写真を撮り歩くうちに、旅と見知らぬ人々との出会いが面白くなり、写真撮影を生業とする。多くの方々に助けていただき、無事に今日に至る。一般誌のほか、鉄道、自動車、旅雑誌等の専門誌の取材を経験。映画のスティル写真も担当し幅広いジャンルで撮影。現在は、1、2年に一度、映画のスティル写真の仕事をするだけで、半ば引退状態(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
Sakie
24
ロシア:ユジノ・サハリンスクからポルトガル:ポルトまで、大陸を横断する鉄道の旅。著者は写真のプロである。鉄道の進む速度で移り変わってゆく風土や文化のさまを眺めるのは楽しかった。イラン、トルコは特に、垣間見る豊かさに溜息が漏れる。美しい。行きたい。道中、国境をまたぐ鉄道は一本には繋がっておらず、かつてのオリエント急行の路線すら今は分断され、列車をいくつも乗り継がなければならないという。国家と国家の間の事情で、大地は繋がっているのに寂しいものだ。飛行機では見えないものを見られる鉄道の旅、素晴らしいと思った。2023/01/04
鐵太郎
18
72歳のプロカメラマンによる、鉄道乗り継ぎユーラシア横断旅紀行。いろいろ批判はあるようだけど、三ヶ月弱に渡ってたったひとりでいろいろトラブルに遭いながら旅したのは立派。やればできる、と思わせてくれる大作です。旅先で撮った膨大な写真を使った旅日記風のエッセイも楽しい。 ──難を言えば、世代的なものもあるのでしょうが、氏の無政府主義的な、現在の国家のありようや民族自立の風潮への愚痴と、いささか身勝手な、写真を撮っていいか悪いかの判断基準。ま、それがなければ、あれだけの写真は撮れないんでしょうけどね。2022/01/28
なにょう
18
すごい本だ。豊富な見識、確かな写真の腕。鉄道オタクのプロの写真家がユーラシア大陸を縦断してみたら⁈面白くないはずがない。①百聞は一見にしかず。一日一日まとめられた文章。豊富な写真とキャプションつき。②72歳、中期高齢者でも頑張れば1人旅ができる。高齢者になることも悪くない。盗難、鉄道手配のミスは、年齢に関係なく誰だってある。③中央アジア、タジキスタンやトルクメニスタン。イラン。女性や、老人、こどもたちの普通の様子が窺い知れて、とってもよかった。2022/01/10
ジュール
10
ユーラシア大陸の端から端までトラブルにもめげずに列車旅。73歳で素晴らしい。写真もたくさんあり臨場感が有る。国内でいいので列車で小旅行がしたくなった。2022/03/30
MICKE
8
こんなに読むのが楽しみで、一気に読んでしまったのは何年ぶりだろう。その場所の写真があるのでとても分かりやすく、まず自分にはこのような旅は無理なので、今のユーラシアがどうなっているのかが居ながらにして体感できた気がしている。稀有な1冊、大切な書である。2021/11/06




