出版社内容情報
中部アフリカのコンゴ共和国で、いま何が起きているのか――。熱帯林に生息するゾウやゴリラなどの生態調査、環境保全に携わる中での内戦や森林伐採業との対峙、貨幣経済の浸透が先住民に与える影響など現場のリアルを伝える。
今回増補改訂版を出すに当たって、ゲリラ豪雨やエボラ出血熱など最近世界を揺るがせている問題とコンゴ共和国との関係を浮き彫りにする新章が加わった。
日本から遠く離れている国だが、実は1989年のワシントン条約で象牙の国際取引が禁止されるまで、コンゴ共和国に生息するマルミミゾウの象牙は印章の材料として日本が大きな需要を占めていたという。
失われていく原生林、その中で生きる動物や先住民の間に、さらなる開発の波が押し寄せる。環境保全業もまた、当事国にとっては外部からの介入であるという葛藤を抱えながらも、自然との共生の道を探る著者の姿に静かな感動を覚える。
目次
熱帯林とゴリラとの出会い
虫さん、こんにちは
森の中で生きるということ
熱帯林養成ギプス、内戦、そして保全業へ
新たな旅立ち―森から海へ
森の先住民の行く末
ブッシュミート、森林伐採、そして象牙問題へ
海洋地域での漁業と石油採掘
日本人との深い関わり
教育とメディアの課題
ぼくの生き方―これまでとこれから
さらに隠蔽される“真実”
著者等紹介
西原智昭[ニシハラトモアキ]
1989年から三〇年以上、コンゴ共和国やガボンなどアフリカ中央部熱帯林地域にて、野生生物の研究調査、国立公園管理、熱帯林・生物多様性保全に従事。国際保全NGOであるWCS(Wildlife Conservation Society;ニューヨークに本部があり)の自然環境保全研究員。NPO法人アフリカ日本協議会・理事。京都大学理学部人類進化論研究室出身、人類学専攻、理学博士。現在、星槎大学共生科学部特任教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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