出版社内容情報
マカオ南西部に位置する三竈島(さんそうとう)。その島で、かつて大量虐殺による占領が行われたことは、ほぼ知られていない。1937年、日中戦争の本格化に伴い、日本海軍は島を華南地方占領の足場とすべく、航空基地を設置。島を制圧する際には海上封鎖、島民の虐殺、中国ゲリラとの抗争などが繰り返され、その後、無人島と化し広大な耕地が残された。1939年、沖縄から三竈島への移民が開始。主な仕事は、海軍が買い上げる米など農産物の生産であった。本書は、沖縄農業移民の三竈島での暮らし振りを伝えるとともに、台湾に近い立地故、戦後は国共内戦時に国民党軍の撤退センターとなった三竈島を巡る激動の歴史を詳細に追った第一級のドキュメント。
蒲豊彦[カバトヨヒコ]
著・文・その他/編集
浦島悦子[ウラシマエツコ]
著・文・その他
和仁廉夫[ワニヤスオ]
著・文・その他
内容説明
国際航空ショーの舞台ともなる珠海空港は、戦時下、三竃島にあった日本海軍の秘密基地だった。中国本土、海南島、香港への空爆はここから出撃していたのだ。教科書にもなかった歴史が、いま明らかに―標的とされた二つの島の戦争史。
目次
第1章 緑の島と沖縄
第2章 三竃島占領
第3章 日本海軍第六航空基地
第4章 沖縄農業移民
第5章 子どもたちの三竃島
第6章 日本海軍とマカオ、香港、台湾
第7章 日本敗戦
第8章 三竃島の終わらない戦争
著者等紹介
蒲豊彦[カバトヨヒコ]
1957年、岐阜県生まれ。大学教員。専門は近現代中国農村史
浦島悦子[ウラシマエツコ]
1948年、鹿児島県生まれ。ライター。名護市史編纂調査・執筆に携わる
和仁廉夫[ワニユキオ]
1956年、東京都生まれ。ジャーナリスト(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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