内容説明
撃剣家として知られた坂本龍馬は、人を斬るのを厭いピストルを常に所持していた。彼が池田家でみせた油断とは? 父の失脚で辛酸を舐めた少年時代をおくり、勝海舟のもとにきた陸奥宗光の剣。ほか山岡鉄舟、吉田松陰など、幕末維新の世にひと際光を放った七人の剣士たち、それぞれの剣の道を枯淡の筆致で描く短篇集。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
レアル
79
幕末に生きた男たちの短編小説風の論文という感じの本。作者見解の男たちが描かれている。物語を楽しんだと言うより、作者の考察を楽しんだという感じかな。作者の思いも伝わってきたし、そういう考え方も出来るのか!と考えるきっかけを与えてくれた。読みやすいし「幕末」の最初のとっかかりに読むには良い本のかもしれない。2014/06/23
はかり
14
津本の著作は史料を大事にするためか解説がましい。本冊はそうでもなく、幕末の偉人を丁寧に紹介していく。とりわけ鉄舟は興味深かった。それにしても、明治(幕末)の三舟というのは初耳。海舟、鉄舟はともかく、泥舟とは。2017/02/09
yamatoshiuruhashi
5
読友さんのレビュー読んで購入。久しぶりの津本陽。幕末を生きた七人の武士たちに関する短編集。いずれも主人公となる物語があるが、一番良いところをさらりと切り取ったようである。龍馬に始まり松陰に終わる一冊。司馬遼太郎とはまた少し違った人物像が楽しめる。 2014/07/08
maito/まいと
4
4年以上前の作品を文庫化したもの。近年の研究とかみ合わないのはそのせいか・・・幕末に光を放った剣客7人にスポットを当てた短編集、龍馬や海舟、鉄舟といった有名格から、伊達小次郎(陸奥宗光)といった意外?な人物まで取り上げている。が、鉄舟・泥舟・海舟の3人は非常にリンクしており(まあ、当然なのだけど)このメンバーが非常に濃い分、津本さんの考える剣客像はこういう漢たちなんだろうな、と思えるほど思い入れのあるような内容だった。幕末という混沌の時代にこれほどの漢たちが生まれたことは奇跡だな、とつくづく思う。2014/01/02
あここ
4
読んでるうちに、何やろコレは。。。小説?ではないんちゃうか・・・いろいろ資料やら文献やらから分かってるコトを作者さんなりの見解で書いてはるような。。。龍馬編だけがそうなのか。他の人たちの話は小説になってるのか・・・読み続ける自信がなかった(笑)ごめんなさい。2013/12/18