内容説明
イメージから知識へ、知識から理解へ―日本のイスラームについての初の本格的研究。今、見つめるべき世界宗教の現在を詳解する。
目次
第1章 世界宗教としてのイスラーム―イスラームの歴史と六信五行
第2章 日本におけるイスラームの歴史―明治の邂逅から一九八〇年代前半まで
第3章 日本におけるイスラームの歴史―一九八〇年代後半から現在まで
第4章 日本のイスラームの現状について
第5章 日本でムスリムとして生きる、その現実
第6章 「イスラームから離れる」ということ
第7章 日本的イスラームの試み
第8章 「大乗イスラーム」という思想
第9章 非ムスリムの日本人によるイスラーム理解
第10章 何故イスラームは日本社会に広まらないのか―日本とイスラームの比較文化論
著者等紹介
小村明子[コムラアキコ]
上智大学アジア文化研究所客員所員。上智大学大学院グローバル・スタディーズ研究科地域研究専攻満期退学。博士(地域研究)。専攻:日本のイスラームについての研究、および異文化におけるイスラームについての研究、日本人の宗教性についての研究(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ソウ
4
日本人とイスラームの邂逅、その歴史、今後についての考察。日本人ムスリムは日本人社会からも外国人ムスリムからも排除されるケースがある。本来、寛容で平和なイスラームが、西側(キリスト教圏)の偏った報道のせいで、テロ・危険・過激というイメージに。礼拝・断食・食べ物の制限といった行動様式が、更に日本で受け容れられない要因となる。特定の宗教への信仰を嫌悪しながらも、無意識的に宗教行為(初詣、クリスマス、葬式)を行い、宗教による明確な規範がなくても道徳・倫理観が存在する日本の特異性が改めてよく理解できる。2015/08/29
佐藤丈宗
2
参与観察、聞取りなどで日本のムスリムたちの現状を論じた部分は特に読み応えがあってよい。日本人はイスラームに対して、外国の異(質な)文化としてであったり、ビジネスのための知識・教養として理解しようという傾向があり、本質である宗教としてのイスラームと距離が出来てしまっているという指摘。日本社会の性質に由来するもので、マイノリティの生きづらさが生々しく伝わってくる。日本はムスリムの多い東南アジアから多くの外国人労働者を迎えている。日本人がイスラームに向き合わなければならなくなる日は必ずやってくるだろう。2018/01/11
抹茶ケーキ
1
日本におけるイスラームの現状。イスラームが日本でどういう風に受容されてきたのかから始まり、どういう人が改宗するのかとか、折衷的なイスラームの紹介とかもなされている。個人的には、改宗した人のインタビューが印象に残った。全体的に丁寧で面白かったけど、どことなく奥歯にものの挟まったような言い方が目についたような気がする。立ち位置の取り方に苦労をしていそう。宗教の受容は難しいんだろうなと思った。2016/04/17
大川 宏
1
何かの書評で興味を惹かれたか、予約していて、図書館で借りて読む。 著者のこれまで10年以上をかけた、日本のイスラームについての調査・研究の結果と考察。読み易く、その歴史と現状も分かる。何かしら、もう一つ踏み込み不足の感じが残るが、私の様な一般の非ムスリムに何か一つを語ることの難しさなのだろう。2015/09/29
takao
0
ふむ2017/11/27