内容説明
人の気も知らないで、よく言ってくれるよ!昭和戦時下、日本人を叱り続けた究極の“上から目線”の壮絶コピー集。
目次
権利は捨てても義務は捨てるな
子供の健康それ国防
心磨けば皇国が光る
燃える心を身で示せ
覚悟の前に非常時なし
進め日の丸つづけ国民
協力一致強力日本
暇をつくらず堆肥をつくれ
胸に愛国手に国債
黙つて働き笑つて納税〔ほか〕
著者等紹介
里中哲彦[サトナカテツヒコ]
1959(昭和34)年生まれ。早稲田大学政治経済学部中退。河合塾講師、河合文化教育研究所研究員(「現代史研究会」主宰)、コラムニスト、翻訳家
清重伸之[キヨシゲノブユキ]
1947年生まれ。東京藝術大学洋画科卒業、同大学院技法材料科修了。迎賓館天井画修復捕手。米国、St.Olaf大学とBajus‐jones映画社でアニメーションを実習・勤務。現在はフリー
依田秀稔[ヨダヒデトシ]
1964年生まれ。フリー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
1 ~ 1件/全1件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
姉勤
33
国が募集した全国レベルのものから雑誌募集で載ったレベルまでの、昭和8〜18年に募集された社会スローガン。終戦までがなぜ載ってないのかは書いていない(載せなかったのか、当時の体制が本土空爆の前では無意味と判断したのかは不明)。有名なものからマイナーなものまで。スローガンに対しての時事情報と所見、イラストが載っているが、いかんせん素人レベル。全方位の揶揄と皮肉。値段ほどの価値はないが、善意から発するものも自家中毒として同調圧力スパイラルと化し、当時からいわゆる「プロ市民」は居たんだなと再認識できた。2015/08/30
北本 亜嵐
16
主に昭和8年から18年の国策スローガンが掲載されており、当時の「時代の空気」が生々しく伝えられている。戦中はアメリカに対する過激な言葉で煽り、戦後は賛美する現在の日本。筆者は「我が国の主流はいまも昔も念力主義である」と言う。「戦争はよくない」からもっと言葉を進ませて「戦争」と「平和」について語る必要があるのではないだろうか。年表も面白く、これだけでも読む価値はある。2015/07/21
大熊真春(OKUMA Masaharu)
5
戦時日本の国策スローガン集。 「バカなこと言ってらー。アハハ。」と笑って楽しめると思ったら、解説がマジメ。 すべては「おわりに」でまとめられている。 国会で新兵器についての質問に「まもなく新兵器の神風が吹く」と本気で答弁された時代と、「反戦」を叫べば平和があると信じている現代とは同じ「念力主義」ではないか、と。 強く念じれば願いはかなう。と信じているだけ。 私も 「無敵日本に 無職をなくせ」 を信じることにするかな。 いやいや、無職者がガス室送りになって抹殺されるだけか。 2013/11/21
-
3
戦時中の日本国内での戦争スローガンが紹介。トンデモないスローガンだらけで頭がクラクラした。マジで戦時中の政府はヤバすぎるな…。2021/02/26
lily
3
「笑顔で受け取る召集令」「暇を作らず堆肥を作れ」「足らぬ足らぬは工夫が足らぬ」「嬉しいな僕の貯金が弾になる」様々なスローガンが当時の世相を如実に示す。当時の風刺として、著者は「念力主義」という言葉を多用する。戦前の神国不滅の思想も、戦後の平和主義も、言霊の力を盲信する姿勢は同じだという。ただ願うだけでなく、実際的な行動を伴うことが大切なのだ。2015/05/31
-
- 和書
- 神の国 〈3〉 岩波文庫