出版社内容情報
42歳で父になった福祉社会学者、
ままならない育児にジタバタの日々(もうええ加減にしてや……)。
娘と妻との対話から「ケアとは何か」を考えるエッセイ。
「ぼくはいまだに、とっさに子どもをグイッと引っ張る癖がある」
「でも、ふと考えるのだ。なぜ、ぼくはそそっかしいままで、妻は注意深くあるのだろう?」。
自分のなかの「仕事中心主義」や「力ずく」のやり方(=男性中心主義)に気づき、ケアの世界にたどり着くまでの日々の記録。
内容説明
42歳で父になった福祉社会学者、ままならない育児にジタバタの日々。娘と妻との対話から「ケアとは何か」を考えるエッセイ。
目次
逃げるな、自分!
自己責任の外にある世界
「どうせわかってくれない」のか?
「ちゃんとしなさい」の罪
子育てすると「戦線離脱」?
「こっちだって仕事で疲れて帰ってきたのに」という言葉
「自分勝手を手放せる」か?
父ちゃんの育ち直し
「待つ」という「修行」
テレビとぼくと娘
体罰としつけ
「ややこしい」から「喜び」へ
「わかったふり」をしない
唯一無二性に気づく
「子どもの問題」は自分自身の心配ごと?
子育てという「まなびほぐし」
「観察」から始まるチームづくり
著者等紹介
竹端寛[タケバタヒロシ]
1975年、京都市生まれ。兵庫県立大学環境人間学部准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ゆうすけ
9
200ページほどで平易に書かれている本なのですが、とても手強いです。ご自身の子育てと家族のことという極めて具体的な事象が、抽象化させる。その往復にちょっとくらくらしてくる。僕自身も昨年長女が産まれて、妻と一緒に悪戦苦闘してきたと思っていたけど、身につまされる話のオンパレードでした。正直耳が痛すぎます。抽象化のレベルが高いので、難しい部分は当然あるのですが、著者固有の経験が我が身に置き換えると連想できる。社会に出て18年、ずっと「馬車馬の論理」で生きてきたのだと思う。他者評価軸で生きることからの脱却の時だ。2022/08/13
ひさちゃん
8
タイトルどおり「家族は他人、じゃあどうする?」が書かれた本。福祉社会学が専門の研究者の筆者が子育てを初めて経験し、その経験を通して気づき学んだことが綴られている。研究者らしく一つひとつの事柄を細かに分析され考えが述べられているのだけれど、語り口が親しみやすいのでわかりやすい。唯一無二性・子どもの問題は自分自身の心配事…なるほど。さらに、こう捉え行動するといいのかと読みつつ「めんどくさい!」と思う次の行に「ああ、面倒くさい!」と書かれていて笑ってしまう。引用されている本も面白そうで、読みたい本が見つかった。2022/12/21
織川 希
3
★★★★☆ 仕事人間の男性が父親になっていくエッセイ。本書は大学教員として仕事で評価されてきた著者が40代半ばにして授かった子供を育てながら、これまでの価値観を見つめ直して父親として成長していく道のりの話。子育てに関する学問的知識は非常に論理的で分かりやすく、一方で筆者自身の経験談は本人の感情がありのままに描かれていて好感が持てた。子育ては思い通りに行かない。親としてもつい理想的な振る舞いからかけ離れてしまうこともある。それを真摯に受け止め、さらけだし、それを糧にさらに歩んでゆく著者の姿勢に頭が下がる。2024/11/24
n___syu.
2
子どもに思いがある。大人の思い通りにはならない。ただ、思いを聞きながらも悪いことは教えていかないといけない。2025/03/12
takao
2
ふむ2024/02/11