出版社内容情報
1960?70年代、吉本隆明が熱狂的に読まれた理由を現代の視点で検証!
1974年生まれの俊英が問う震災後の共同幻想。
田中和生[タナカカズオ]
1974年、富山県生まれ。慶應義塾大学経済学部、文学部仏文学科卒業。2000年、評論「欠落を生きる――江藤淳論」で第7回三田文学新人賞を受賞。現在、法政大学文学部日本文学科教授。おもな著書に『江藤淳』(慶應義塾大学出版会、2001年)、『あの戦場を越えて 日本現代文学論』(講談社、2005年)、『新約 太宰治』(講談社、2006年)、『吉本隆明』(アーツアンドクラフツ、2014年)など。
タナカカズオ[タナカカズオ]
内容説明
一九六八年に発表され学生を中心に大ブームを巻き起こした吉本隆明『共同幻想論』は日本思想史における名著のひとつだが、本書はその名著を、東日本大震災を折り返し点としながら読み直すというまったく新しい試みに挑んだものだ。前半は、六〇~七〇年代という動乱の時代になぜ熱狂的に吉本が読まれたのかを現代の視点で検証し直しつつ、吉本が捉えようと試みていた大胆な日本の姿を再確認する。そして戦後の繁栄と背中合わせになっている原発産業と日本社会の絡み合いを解きほぐしていくことで「戦後日本」の抱えていた「共同幻想」をあぶりだす。そして「三・一一」を経て、後半は未来へ視線を向ける。震災後に生まれた「共同幻想」の新しい形を文学作品を中心に抽出していき、その新しい「共同幻想」を足がかりに「戦後日本」と、「震災後の日本」が持つ矛盾を解消していく手段を考察していく。
目次
序章 震災後の日本で
第1章 時代のなかの『共同幻想論』
第2章 『共同幻想論』のなかの日本
第3章 「戦後日本」の終わり
第4章 「震災後の日本」のはじまり
終章 戦争を引きうける
著者等紹介
田中和生[タナカカズオ]
1974年、富山県生まれ。慶應義塾大学経済学部、文学部仏文学科卒業。2000年、評論「欠落を生きる―江藤淳論」で第七回三田文学新人賞を受賞。現在、法政大学文学部日本文学科教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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