内容説明
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。
「都市民俗学」は存在しない。「常民」は概念ではない。「民俗」など妄想に過ぎない。「伝承」はもはや呪文である。「民俗調査」は自動筆記と化し、研究室はとっくの昔に天使の王国。つまり、おまえはすでに死んでいる。志もなく、希望もなく、より良い未来を選ぶ心意気さらになく、柳田国男、没してすでに30年。ただ、脳死状態のまま、世紀末の高度消費社会に、およそ不幸な延命を続けるこの国の民俗学。その病いのさまをていねいにほぐし、つづり、かたちにする、身についたことばから再び出発するための、渾身の荒療治。
目次
1民俗学という不幸 1 「学者ごっこ」の楽しいゆりかご 2 構造的不幸の諸要因 3 この国の「現在」と切り結ぶために2「都市」とフォークロア 1 フォークロアをめぐる新たな視線 2 「都市」という場所へ 3 都市伝説を見つめるまなざし「都市民俗学」という神話 1 いったい何が問題だったのか 2 「都市民俗学」というもの言いの成立と展開 3 「都市」か「変化」か 4 「都市民俗学」論の抱えていた可能性のために3常民・民俗・伝承 1 腫瘍、あるいはこの国の民俗学における「概念」の自明性について 2 隠されてきたシャム双生児──「民俗」と「常民」の癒着の構造 3 態度としての民俗学の方へ4「カッコいい」のある風景──民俗学とその周辺にとっての一九八〇年代 1 死にゆくものがやるべきこと 2 「ニューアカデミズム」の不思議 3 「ニュー」の構造 4 そして、民俗学のかぶった大波についてあとがき初出一覧
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
半木 糺
うえ
さとう
-
- 洋書
- Thump