いま読む!名著<br> 死者とともに生きる―ボードリヤール『象徴交換と死』を読み直す

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いま読む!名著
死者とともに生きる―ボードリヤール『象徴交換と死』を読み直す

  • 林 道郎【著】
  • 価格 ¥2,420(本体¥2,200)
  • 現代書館(2015/08発売)
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  • サイズ B6判/ページ数 230p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784768410066
  • NDC分類 309.301
  • Cコード C0310

内容説明

ポストモダンの先駆的思想家ジャン・ボードリヤールは、日本では一九八〇年代に隆盛した消費社会論の中で若い論者に積極的に取り上げられブームとなった。一九九〇年代以降取り上げられることは少なくなったが二〇〇一年の同時多発テロ以降、グローバル化とテロリズムの関係に関しては二〇〇七年の晩年まで先鋭的な発言を続けた。本書は、そのボードリヤールが『象徴交換と死』で取り上げつつ、いつのまにか消えてしまった「死」の問題を引き継ぐという意識で書かれた、いわば「未完のボードリヤール」を完結させる思索の旅とでも言うべきものだ。美術史家でもある著者の視点は「3・11以降」の閉塞感に覆われた日本、間断なきテロリズムが止まない世界、そんな不安定な時代の中で私たちがどのようにすれば生の実感を回復できるのかというところからスタートするが、それは必然的に死者の問題へとフォーカスしていく。

目次

序章 今、なぜボードリヤール?
第1章 『象徴交換と死』を読む
第2章 アナグラムとしての日本、そしてアメリカ
第3章 なぜ「悪の知性」は誕生したのか
第4章 未完のボードリヤール―「死」の回帰性、断片性について
終章 エピローグとしての対話―歴史的想像力の「詩的展開」

著者等紹介

林道郎[ハヤシミチオ]
1959年生まれ。1999年コロンビア大学大学院美術史学科博士号取得。武蔵大学准教授を経て、上智大学国際教養学部教授。専門は美術史および美術批評(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

たろーたん

2
差異の体系から成り立つ記号を消費するシミュラークルの世界は劇場よりも魚にとっての海に近く、我々を取り囲み、距離を取ることが出来ない。例えば、ブランドから距離を取ったノーブランドも所詮は核があるわけではなく記号に過ぎない。資本主義が新しい価値を創出することで延命するシステムである限り、これは必然であり、記号の礼賛によって価値は浸食され取って代わられる。社会は差異化を要請し、我々は個性と言う牢獄への疎外される。そして、その記号の世界は進み、現実とシミュレーションは融合し「現実(ハイパー・リアリティ」となる。2022/06/22

yu-onore

2
死者を生の論理で受け入れ続けてきた社会vs人肉食などで、死者を「個別的な」(X記念碑的。これは生者の論理に近い)死者として受け入れる原始社会・詩的言語・写真。 また不在という死を突き付け、断片的な「出来事→ヘイトスピーチやテロにも通じる、人間の「呪われた」性質としての他者性の要求」として我々を現実と接触させ、仮想空間を脅かすものとしての写真・詩的言語のありかた。 クリステヴァ、バルトの弟子なんだ。2020/10/24

渡邊利道

0
きわめて明快な現代日本に即したボードリヤールの読み直し。戦後日本史を「沖縄・福島」に収斂させて露出する「惑星化」するアメリカの「衛星」としての日本というパースペクティヴは面白い。もっともボードリヤールのアナグラム(ソシュール由来)を詩的体験にひきよせて「記号の牢獄」の外部を夢見る、それをバタイユ的な資本主義の「外部」とパラレルに捉えるというのは、やっぱりポスト構造主義的な「構造と力」のプログラムの変種でしかないようにも思える。もっともそれで何が悪いかと言うか、そこから何をくみ出せるかだろうという話か。2016/05/26

よる

0
うさんくさい思想家だと思われがちで、実際いまではあまり読まれなくなったボードリヤールの思想を再読し、現代日本の分析へと応用する試み。明確に図式化されているわけではないが、戦後/震災後という2つの「ポスト」が大小2つの歴史的枠組みとして議論をふちどっている。大雑把にいえば、「戦後」にはアナグラムをめぐる議論が対応し(日本というテクストにひそかに散りばめられ無意識に食いこんでいるアメリカ)、「震災後」には死ないしは死者をめぐる議論が対応する(生の効率を追求する世界のただなかへの死者の回帰)。2016/02/22

酔うた

0
バルト、デリダ、ラカン、レヴィー・ストロースなどには接してもボードリヤールは管轄外だった。しかし、こうも現代への示唆を与えてくれるとなると話は別である。『象徴交換と死』も読んでみようと思った。福島や沖縄に「アナグラム」や「詩」や「死」をあてはめて考えてみると全く違った様相が浮き上がる。それは絶望でもあり、別の次元での希望かもしれない。言葉によって世界の構造を捉えなおすというのが構造主義とすれば、このような議論はすべて幻想なのではないかとの思いも一方で生じる。それがまさに今の日本の置かれた立ち位置の故とは。2015/12/14

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