出版社内容情報
フロイトの影響を受けながらフロイトの性欲学説に加担せず、独自の学説を展開した、ユングの思想と生涯。リビドー論・タイプ論・集合無意識と元型・心理学と宗教・東洋思想と現代文明批評等、一見難解な思想が本書では豊富なイラストでよく分かる。
目次
プロローグ 何故にユングか(高度経済成長後のユングブーム;ポストモダニズムの中のユングブーム;若者たちの現在とユング)
第1章 精神分析学上におけるフロイトとユング
第2章 「影の世界」への求道者ユング(時代精神について;父親像の欠如と祖父へのあこがれ;第二人格の働く母;幼年期におけるキリスト教との葛藤;自我の目覚めと人格NO.2 ほか)
第3章 ユングの思想(リビドー論について;ユングの性格論〈タイプ論〉について;元型および個性化論について ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kaizen@名古屋de朝活読書会
34
ユングは半分も理解できていませんが ユングは半分も理解できていません。 本書は、自分が理解していないユングの一面をあらわしていました。 ユングを読み進む際の貴重な助言になっていると思いました。 本シリーズの挿絵の大胆さにも驚きます。 もjがすこしごちゃごちゃしているのが疑問点です。 わざと読みにくくして、読み手を刺激しているのでしょうか・2023/01/18
うちこ
6
同じ現代書館の「フロイト」がおもしろかったので「ユング」も読んでみましたが、フロイトが1980年に第一号として出版されたのに対し、こちらは65番目のタイトルで出版は1993年。外国語のものを翻訳したのではなく、はじめから日本人の著者によって書かれたものをこのシリーズのテイストに寄せた形。なんというか、フロイトの本のインパクトと比較するとかなり真面目というか、マイルドです。ユングのリビドーの捉え方について書かれている箇所はこれがフロイトとの違いかということがとてもわかりやすかったです。2020/10/12
猿田康二
4
12.10の新聞の書評で「ボーリンゲン」を紹介しているのを読み、そこで「ボーリンゲン基金」設立のきっかけがユングであることを知り、河合隼雄がユング心理学の泰斗であることからも彼の著作を読む前にユングと彼の心理学、及び書簡を長い間やりとりしていたフロイトとの関係も知りたいと思い、Beginnerシリーズの本書を手に取り、広く浅く彼の事を知ろうと思ったが、意外に深くユングの事を論じてくれていて、内容が濃かった。まあ本人の著作を読むのがいいのだろうがやはり著者本人のことも知りたいので、こういう解説書は重宝する。2018/05/13
秋津
3
イラストを交えユングの思想を解説した一冊。夢や神話などを対象としてポジティブ/ネガティブな側面を併せ持つ「無意識」下の情動を分析し、自我の確立を目指すという考え方について、(どこまで理解できているかという問題はさておき)学ぶことができました。外向的/内向的、思考/感情、感覚/直観という形に類型化された「性格論」の解説の例が身近すぎて少し「?」となりましたが。後は筆者も「無意識の世界は大変危険な場所でもある」と述べられていましたが、他人の手助けなく自己の内面を軽々に覗くのは危険だなという感想も。2016/07/24
Arowana
3
このシリーズは挿絵が気分を和ませてくれてよいですね。肩が凝りませんし。ユングの直観は錬金術や東洋思想にまで及んだとは・・・。そっちの世界もそれはそれで興味深いなぁ。2012/08/26
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- 和書
- D.カーネギーの成長力