出版社内容情報
社会文化の諸現象を性欲によって説明しようとする汎性欲説を唱え、20世紀の精神病理学・心理学を根底から変化させたフロイトの生涯と学説を、豊富な絵と写真で解説した画期的フロイト入門。本書によってフロイトは非常に身近な存在になった。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kaizen@名古屋de朝活読書会
35
夢の話だけがこびりついていて フロイトというと夢の話が頭にこびりついていて、 冷静にフロイトを読んでいないことに気がつきました。 本シリーズは、ちょっとその人に興味があって、何か読んだけど、 よくわからなかったと思った人にお勧めできるシリーズだと思います。 自分が持っていない切り口、 相手の人となりの一端を知ることができます。 いきなり伝記を読むのは、と感じる人には最適です。2023/01/18
山口透析鉄
21
現代書館のこのシリーズ、翻訳版として最初に出たのがアインシュタイン・フロイト・マルクスといった3名で、このシリーズ、イラスト入り入門書としてかなり完成度が高いですね。上っ面だけではない、核心部分にもちゃんと迫っている入門書ですので。 とはいえ、フロイトだけで人間の深層心理、全て解明出来たわけでもなく、ここからどういう学問が発展してきて今に至るのか?を知るのが重要なのでしょうね。 このシリーズ、特に翻訳版はハズレはなかったと記憶しています。1985/11/16
またの名
7
吹き出し内の文字が独特に時代を感じさせる手書きだったりフェティシズムを拝物愛と訳す等、さすがに古めかしさが否めない解説漫画。巻末の文献案内にも重要な書といった雰囲気でマルクーゼが紹介されてるのは時代の刻印をかなり強く感じるけど、そうした抗えない経年劣化に注意して読むことができれば内容に関してむしろ行き届いた説明を丁寧に行なってるのが確認できる。全てを性欲に還元するというお決まりのイメージには与さず、フロイトの格闘が、全ての欲動が性的ならば性に介入する性以外の働きはどこから来るのかとの問いに向かう点を強調。2024/02/03
うちこ
7
映画「危険なメソッド」を観る前に読んだ「秘密のシンメトリー」にあった手紙から、フロイトの誠実な人柄に興味が沸いて読みました。 この本は古本屋で見つけて、数ページめくっただけでなんだか笑えて即買い。原作もイラストも外国の作家によるもので、日本人向けのわかりやすさのようなものが全くなくて、そこがすごくいい。イラストもすごく意地悪な感じで、偉人だからって苦労話を美談にすることもないし、全体的に邪悪な雰囲気が精神医学の解説にマッチしている。心の奥底の話は、美化されちゃったら全く伝わってこないもんね!2020/09/28
ぴよ
5
フロイトの人生に沿って解説が進む。概説書、原典への橋渡しとしては良い書籍。2015/07/16