出版社内容情報
これまで言葉と絵で「物語」を表現してきた作家、安達茉莉子の初エッセイ集。日々の出来事や感情を丁寧に瑞々しく掬い上げた文章と、心に明かりを灯すようなイラストレーションで確実にファンを増やし続けてきた彼女が満を持して送り出す本書はきっと多くの人に自分自身を真っ直ぐに見つめるきっかけを生み出す、毛布のようにあたたかな1冊です。
装丁:惣田紗希
校正:牟田都子
内容説明
言葉と絵で「物語」を表現する作家・安達茉莉子の初エッセイ集。彼女は自らの望む道を模索する中で得た考えや感情を瑞々しく掬い上げた文章と、心にあかりを灯すような絵で確実に読者を増やし続けてきました。本書は自分自身を大切にすることが難しかったり、ふと立ち止まってしまったりした時にも「毛布」のように包み込み、心を温めてくれる一冊です。
目次
喪失と痛み、記憶について
光について1―熾火・火を熾す
光について2―いつかの、いくつかの夜
光について3―消えない光、瞬き
日常について―生まれてきたのだから
Tell me your deepest desire―あなたの最も深い欲望を聞かせてごらん
「傷」を癒す・過去の「怒り」を許す
言の葉を落とす
「今はもう大丈夫」―バスタブのイメージワーク
ワーキングアーティスト
自分のことを「女」だと思えなかった人と、フェミニズム
Change the world
愛の話―アーノルド・ローベルとがまくんとかえるくんの物語
言葉をなくしたように生きる人達
おわりに
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
羽
21
文章には書き手の個性が表れるというけれど、この人は自己否定がつよくて、生きづらそう。かなり繊細で、傷つきやすいひとだと思う。アラサーになってもひとの目を見て話せないところや、やや感傷的なものの見方は、生まれつきそうなのではなく、人生経験上そうなってしまったのだけれども。抱えてきた息苦しさをふんわりと優しく包んでくれる毛布を、だから、ずっと求めているのだろうな。2022/05/29
あんず
12
新聞のコラムで優しい文章と可愛いイラストを見たことをきっかけに、ずっと気になっていてようやく購入した。読んでいて、作者さんのこれまでの辛い経験なども描かれていて胸が締め付けられるようだった。生きづらい中で必死に生きてきたんだろうなと思った、自分も似たような部分があるから。丁寧に自分の言葉で綴られている文章は優しくて、読んでいて泣いてしまった。悲しい過去や思い出を分かち合えたような、理解者を得たような気持ちになって、救われた。自分なんか、と卑下せずに強かに生きていきたいと思った。2024/01/04
Sobbit
8
人生楽しいことばかりではなかったけど、まぁだから今のわたしがあります…といった具合に、今までの人生を否定も肯定もせずそのまま受け入れている境地を表現する文章に引き込まれてあっという間に読み切ってしまった。辛かったことを攻撃的に表現するのではなく優しく書いているところに筆者の表現力が光っている。この本が刺さるのは今まで無意識的にでも自分を抑圧して生きていたけど、なんかもうそれじゃあ生きていけないなっていう感じの人だと思う。そうじゃないと何を言ってるのかわからないかなと。2022/09/17
みそ
5
作者と感じてきたことが似ていて、自分が文章に溶けこんでいるようだった。嫌だなと感じること、幸せだと感じること、共感することばかりで読み終えてお腹が温まるような満たされた気持ちになる。私はまだ自分にはこれがいいのでは?と思えるようなやりたい仕事が見つけられていない。興味のあること、仕事でなくやりたいことはたくさんあるけど…この本を読み返しながら探していきたいし、自分の人生、感覚、気持ちを大事にする選択は私にもできるはず。作者に会いにいきたいな。2023/11/08
やま
4
こちらの本も共感するところがたくさんあって、自分の悩みを人に相談するなんて、人の時間を奪ってしまう。時間がもったいないって思うところが一緒だった。早く読みたくて読みすすめてしまったけど、多分何度も読むことで癒やされる本だと思う。2024/02/25
-
- 和書
- 国語表現法