内容説明
比類なきイマジネーションと圧倒的な画力を誇るシド・ミードは、現代最高のアーティストのひとりとして、限りない尊敬を集める巨匠である。カーデザインから建築デザインまで、そのキャリアには目を瞠るような作品とプロジェクトがずらりと並ぶ。しかし、ミードの仕事でもっとも有名なのは、数々のSF映画で鮮烈なヴィジュアルを生みだしたコンセプト・アーティストとしての業績だろう。リドリー・スコット監督『ブレードランナー』の近未来世界やスピナー、『トロン』のライトサイクル、ジェームズ・キャメロン監督『エイリアン2』のUSSスラコ号―その斬新なヴィジュアル・イメージの数々によって、映画が描きだす“未来”を決定づけたヴィジュアル・フューチャリスト、それこそがシド・ミードなのだ。本書はミードが映画のコンセプト・アーティストとして生みだしたSFアート作品の集大成である。40年以上にわたるキャリアにおいて描かれた膨大な数のイメージ画、スケッチ、コンセプトアートから精選。これまで未公開だった作品も多数収録している。本書に収められた作品の数々は、ミードの技術と才能の全貌を明かしてくれるだけでなく、映画製作の舞台裏でどんなドラマが展開していたかを教えてくれる。映画史を変えた画期的デザインとアイディアに満ちた本書は、映画ファンのみならず、あらゆるジャンルのアーティストやデザイナーにとっても必携の書といえるだろう。
目次
ミードが描きだす未来
『スタートレック』(1979)
『ストレンジ・デイズ/1999年12月31日』(1995)
『ザ・コア』(2003)
『TOPEKA(トピカ)』(未製作プロジェクト)
『エイリアン2』(1986)
『2010年』(1984)
『BELITTLED(ビリトルド)』(未製作プロジェクト)
『ブレードランナー』(1982)
『EKTOPIA(エクトピア)』(未製作プロジェクト)〔ほか〕
著者等紹介
ミード,シド[ミード,シド] [Mead,Syd]
1933年アメリカ生まれのデザイナー。1960年代にフォードのカーデザイナーとして出発し、インダストリアル・デザインの世界で一躍有名となる。1979年、ロバート・ワイズ監督『スタートレック』の製作に参加。以来40年以上にわたり、“ヴィジュアル・フューチャリスト”“近未来コンセプト・アーティスト”“フューチャリスト・デザイナー”などの肩書きで、『ブレードランナー』『エイリアン2』『トロン』『エリジウム』など、さまざまな映画のデザインを手がけてきた
ホジェッツ,クレイグ[ホジェッツ,クレイグ]
ロサンゼルス有数の建築事務所ホジェッツ+ファンの共同創立者兼代表。同事務所はハイテクノロジーとストーリーテリングの想像力豊かな融合で知られている。ナッシュヴィルのアセンド・アンフィシアターの設計や、特許を取得したプレハブ住宅プロジェクトなど、手がけた作品の多くはさまざまな賞を受賞している
矢口誠[ヤグチマコト]
1962年生まれ。慶應義塾大学文学部卒。翻訳家・特撮映画研究家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。