内容説明
スペイン語の“se”を伴う構文は、その用法の多様性と頻度において特徴的であるが、スペイン語研究の中でも最も異論の多いテーマである。当研究では、構造と機能の関係を認知的に捉える機能的観点からの分析を試みる。これによって、“se”の構文がどのような基準で形成されるのか明らかにし、新たな視点で従来から言われるヴォイスを定義し、その形成のし方にスペイン語の特徴を見出そうとするものである。それを研究者の母国語である日本語と比較することによって、より明らかにその形成原理を類型として特徴づけられるものと考える。
目次
第1章 問題提起と方法論
第2章 中間構文の形成
第3章 出来事における非連続性・連続性
第4章 トピックの意味役割と中間構文との相関関係
第5章 無人称表現と他動性
第6章 中間構文の多義性及び結論