出版社内容情報
『小さいおうち』の中島京子が見た、鎌倉の街と日本の住まい。
歴史ある古刹から大正期のホテル、別荘地として栄えた時代のモダンな邸宅まで、古都・鎌倉の美しい建築32件をフルカラーで紹介。
「鎌倉は関東の人間にとっては大事な場所だ。地元民に愛され、観光客にも愛され、古いものを大切にして鎌倉文化を維持している姿は、街のあるべき姿の一つの魅力的なモデルではないかと思う。」 (中島京子)/本文より
古都鎌倉は神社仏閣から近代建築まで、名建築の宝庫でもあります。海と山に囲まれた自然豊かな鎌倉には、明治以降、皇族や華族、文化人らが別荘を構えてきました。文化的で豊かな日本の一時代を象徴する街の魅力を、建物を通してとらえた一冊。 『小さいおうち』『夢見る帝国図書館』などで建物の歴史と人々の人生が交錯する物語を紡いできた作家・中島京子によるコラムと鎌倉文学館での対談も収録。
目次(抜粋)
古我邸
ホテルニューカマクラ
御成小学校旧講堂
旧川喜多邸別邸(旧和辻邸)
石川邸(西御門サローネ)
旧大佛次郎茶邸
鎌倉文華館 鶴岡ミュージアム
神奈川県立近代美術館 鎌倉別館
鶴岡八幡宮
鎌倉国宝館
旧華頂宮邸
石窯ガーデンテラス
建長寺
東慶寺
鎌倉文学館
旧鎌倉市長谷子ども会館
旧鎌倉銀行由比ガ浜出張所(THE BANK)
かいひん荘鎌倉
日本基督教団 鎌倉教会
吉屋信子記念館
加地邸
旧足立正別邸
大船軒 茶のみ処
●内田青蔵×中島京子 対談
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
旅するランナー
184
鎌倉の静謐なたたずまいを感じることができます。中島京子さんがコラムに書いている通り、鎌倉はいつもそこにあるんだけども、ゲキ混みの映像を見るにつけ、どうもそこには行きづらい。せめて、この写真集の中で心の旅を楽しみます。いざ鎌倉。2024/06/28
ほじゅどー
14
★★★これは公開しているうちに行っときたい。残念ながら既に閉まってしまった建物もあるなぁ。2025/03/04
組織液
11
旧前田家鎌倉別邸、改修前に訪れることができてて本当に良かった…。前にライト展に行ったので、西御門サローネ、加地邸、旧近藤邸には特に訪れてみたいです。2024/03/02
チョビ
6
鎌倉の名建築は…裏山の降りた麓に、誰からも顧みられないように打ち捨てられている洋館にも名前があったことに驚く。でも、掲載されているキリスト教関連の建物も素敵だが、シスターたちが寝起きをする、なんの変哲もない修道院だって素敵なものだ。鎌倉という土地柄のせいだろうか、建築物は古いものより80年台くらいに観光向けに建てられた、栄枯盛衰を感じられる建物の方が訴えるものがあるんですよね。または偶然に見つけた、そういう中途半端な建物。まあ、好きな方は好きなんでしょうけど。2024/03/14
飼い猫の名はサチコ
5
中島京子さんの名前に魅かれて借りた図書館本。掲載されている旧前田家鎌倉別邸の鎌倉文学館は何度か訪れているが、鎌倉には他にも洋館&古民家等々、寺社仏閣に限らず魅力的な建築物が多くあることを知ることができて良かった。早速、公開されているところに出かけてみたい。中島さんの曽祖父が建築家・教育者で、本書に載っているような素敵な自邸を残されていることを知って驚く。中島さんの作品に建築物の描写が優れた作品が少なくないことに合点がいった。2024/04/03