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出版社内容情報
原 聖[ハラキヨシ]
著・文・その他
内容説明
キリスト教が広まる前のヨーロッパに存在していたケルト文化。幻想的なそのイメージは今も多くの人の心をとらえています。近年では「ケルト」の概念そのものに見直しが進みつつありますが、本書ではケルト諸語を基盤としてケルト文化をとらえ、歴史・神話・美術・考古学などさまざまな角度からその全体像にせまります。
目次
1 ケルトとは何か
2 ケルトの国と地域
3 ケルトの文字と言語
4 古代ケルト文化
5 ケルト人の生活と社会
6 ケルトの信仰と神話
7 ケルト的修道院文化
8 アーサー王伝説
9 ケルト復興
著者等紹介
原聖[ハラキヨシ]
1953年、長野県生まれ。一橋大学大学院博士後期課程単位取得退学、女子美術大学客員研究員・名誉教授。言語社会史、比較民俗学が専門(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
さゆ
177
ケルトといっても神話はあまり資料がなくはっきりした体系はわかっていないよう。 多くは多神教で散発的にそれぞれの神を信仰していたようで、アーサー王物語くらいからはっきりした神話になり、トリスタンとイゾルデなどの後発の物語で拡張されてきたという。ちなみに、マクドナルドはケルト語で世界の主(ドナルド)の息子(マク)になるらしい。言語学的にはマクド派よりマック派が一歩リードか…?2024/07/20
Koning
42
ブレイス語の第一人者原先生のケルトの概要。ケルトの範囲、ケルト諸語の範囲のアップデートになってみたり。ピクトもPケルト説がほぼ確定なのか。現代のケルト諸文化の紹介もあって、今を考えるのに非常に有用。文学や音楽も。2022/09/13
サアベドラ
40
現代のケルト諸語の各地域と、考古学・歴史学上で「ケルト」に属すると考えられてきた人々の文化や様式などをイラストと短めの易しい文章で紹介した本。2022年刊。著者は『ケルトの水脈』を書いた人で、この分野の第一人者。いわゆる「ケルト」は近年の研究で従来の説が大きく揺らいでおり、ケルト諸語と考古学上でケルトに属すると考えられてきた鉄器文化との関係性など、多くの面で見直しが続いているという。広く浅くの感が否めないが、手軽に知識をアップデートするのに便利。2022/11/26
鯖
21
ケルトの文化や歴史について赤茶色のインクとの二色刷りのイラストを多用して記した本。イラスト…、このイラストが写真だったらどんなにか…とは思ってしまった。夜中に河原に現れて、死にそうな人間の服を洗ってる「夜の洗濯女」…どうやってその服もってきたの…。著者の方に覚えがあるなと思ったら、興亡の世界史の「ケルトの水脈」を書かれた方だった。なんかアレも賛否両論てみたような記憶。さらっと読んで積んでる二大講談社学術文庫がちうごくの歴史と興亡の世界史全巻なんですけど、そろそろ読まねば。2023/12/13
組織液
14
疋田隆康『ケルトの世界』を読む前に、ほぼ同じ時期に出たこちらも読んでおこうと思い手に取ってみました。この本の著者さんは『ケルトの水脈』の方ですね。個人的には9章の「ケルト復興」がよかったかな。全体的な印象を言えば、よく語られるケルト像を踏まえつつ、近年の研究も盛り込んだって感じです。「ケルト」という概念自体が揺らいでる今日にここまで分かりやすくまとまった入門書はありがたい。「おわりに」は読んでおいた方がいいですね。2022/12/25