内容説明
本書は、世界的に著名な構造技術者であるマリオ・サルバドリーとマッシス・レヴィが、20世紀を生きる我々にとって最も重要な、そして興味深い構造物の崩壊の状況とその理由を紹介している。メイドウムのピラミッドをはじめ、イスタンブールの古代ドームから、先端技術を駆使したハート・フォード・シビック・アリーナに至るまで、またパンテオンの悲劇から、タコマ橋の崩壊、アルメニアとサンフランシスコにおける地震災害、ミアノスの高速道路橋の崩壊、そしてアメリカ史上最悪の惨事といわれるカンサス市のアトリウムで起きた渡り廊下の落下に至るまで、あらゆる種類の建物の、いわば“構造崩壊の旅”へと案内してくれる。
目次
最初の構造上の崩壊
34丁目の奇跡
パンテオンは永久に建っているだろうか?
余裕度の不足
大爆発
大地が揺れた日
ギャロップするガーティ
金属が疲労するとき
永遠への高速道路
母なる大地の弱さ
涙の渓谷〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
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初版は二十年ほど前の本。内容は建築に限られた失敗学の事例集といったところ。古い事例が多いため、今日では解析で簡単に確認できる事例が多いのが、新鮮な驚きだった。普段は何気なく本当に儀式的な確認程度なのに、それがないとこれほど苦労するのか。エンジニアとしては降伏宣言に近くなるが、多くの要素が絡むと全てをもれなく考慮するのは難しい。失敗があって初めて、ノウハウが蓄積されていくもの。2012/06/23
2n2n
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タイトル通り、建物や橋梁やダムなど、構造物が崩壊した大事故・大災害の事例を集めて、その原因を掘り下げた一冊。どれもこれも、ほんのちょっとした不具合が崩壊の引き金となっていて、読んでいて切なくなる。ページをぱらぱらとめくると、いろんなところに崩壊後の構造物のイラストが載っているのも、切なさに拍車をかけている。2021/07/23
jiroukaja
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建物が建っている本を読んだので、壊れる理由を読むことに。わりと捻れが絡んでいたのが興味深い。2019/07/01