内容説明
日本社会党は、1996年1月、党名を社会民主党に変更した。これをもって、日本社会党の歴史に幕がおろされたとみることもできよう。その直前、1993年から40年以上ぶりに政権参画の機会を得ながら、それを党勢拡大につなげることができなかったばかりか、社会民主党はその後も低落傾向に歯止めがかからず、存亡の危機に立つことになった。本書は、学位輪文をもとにした第3章を中心に、戦後日本の政党政治を考察するうえで、欠くことのできない存在である日本社会党(社会民主党)に焦点をあて、社会党にとっての「転換期」の意味を考察したものである。また、戦後日本における政治学にとっても大きな「転換期」となった、1980年代中盤以降顕著になった政治学の一傾向について批判的に考察したものも加えた。
目次
第1章 政治学の科学主義化―批判的検討
第2章 政治学学の提唱―社会の発展に貢献する政治学に向けて
第3章 転換期の日本社会党と戦後政治―「左派連合」の動向を中心にして
第4章 防衛観対立下の戦後政治―ファシズム再来に対する認識距離の拡大
第5章 村山連立内閣における社会党の政策転換―その経緯と意味
第6章 再編期における政界―自民党のシニオリティ・ルールの「効果」
補章 社会党研究の現在―今後の社会党研究のための一考察
著者等紹介
木下真志[キシタマサシ]
1963年生。1992年成蹊大学大学院法学政治学研究科博士後期課程退学。2000年博士(政治学)。現在、県立高知短期大学社会科学科助教授。専攻は現代日本政治論、政治学方法論
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