内容説明
スーパーの清涼飲料水に青酸を入れた。―事件の発端は警視庁へのこの謎めいた電話だった。真偽のほどはともかく、電話の男が名のっているのに無気味な予感を覚えた警察は、極秘に捜査を開始、ほどなく当人を探し当てたが、すでに男は自殺していた。同じ頃、警視庁捜査1課の柏木冴子刑事は、金華山山頂で起った殺人事件を岐阜県警と追っていた。そして、重要参考人として浮び上った名前が、都内で自殺した男のそれだった。東京と岐阜でほぼ同時に発生した二つの事件の接点は何か。複雑に絡みあった事件の裏に密められた怨念とは…。書下し長篇警察小説。