内容説明
帝国海軍は軍縮条約期限後の軍備拡張を計画、その目玉は新型戦艦だった。列強各国の関心を新型戦艦から逸らすため、同時に甲型駆逐艦と一等潜水艦の建造予算が申請された。日華事変の勃発により、新型戦艦A140と同じ予算で水中を20ノットで潜航する新型高速潜水艦と、その潜水母艦の建造が決まる…。昭和16年12月7日、戦艦大和は最後の公試運転に臨み、主砲の発射実験に成功した。翌日未明、山本五十六連合艦隊司令長官は「トラトラトラ」の暗号文を受け取った。そして昭和17年1月、戦艦大和は潜水母艦と新型潜水艦・伊201型4隻と共にボルネオ島沖で初陣を迎える!書下ろし長編仮想戦史、新シリーズ!
著者等紹介
林譲治[ハヤシジョウジ]
1962年、北海道生まれ。戦略シミュレーションの原案などで活躍後、作家デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ikedama99
7
戦艦大和が華々しく戦う・・わけではなく、この作者の得意なシステムの運行や組織力など、そちらの話から物事がすすんでいく。今回は、大和建造のキーパーソンの西島造船官が出てきたのには驚き。この人が今の日本にいればと思ってしまう。実際の戦いは、かなりの運の良さもつきまとうのだろうか?2019/12/23
ikedama99
6
3巻までそろったので再読開始。ゆっくり読んでいくと以前に見えていない点もみえてきた。工程管理の大切さと工夫で動きが大きく変わるところが面白く読める。2020/06/16
zaku0087
3
工程管理と標準化で低開発工業国の日本が先進国と戦争継続が可能になるかという思考実験で、最近の林作品はこれがテーマらしい。故佐藤大輔氏の諸策では、かなりの歴史改変を行ってこの課題を達成していたが、林シリーズは技術者、実務者の努力でこれをなんとかする話になっている。 表題の大和は後半から出現するが、工程管理の改善により史実より早い実戦投入で、戦艦としての戦果を上げる。次巻以降では、戦艦不要の世界でどう戦艦の意義を見つけるかというのが課題らしい。2020/03/13
Meistersinger
3
大和建造予算の隠蔽として計画された超高性能潜水艦が建造される話。今のところ戦場で快進撃してるだけだけど。2019/08/16
ひろぺん
2
さらさらすんなり読めた。 新機軸の高速潜水艦。標準化船や輸送コンテナの導入。さて、それらがどう展開していくか、ちょっと楽しみ。2019/12/10