芸術をカテゴライズすることについて―批評とジャンルの哲学

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芸術をカテゴライズすることについて―批評とジャンルの哲学

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  • サイズ 46判/ページ数 256p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784766430806
  • NDC分類 701.1
  • Cコード C3010

出版社内容情報

批評は創造的な社会実践だ!
絵画や音楽や映画をどう“ジャンル分け”するか? 分析美学の観点から批評という実践を再考し、単なる分類ではないカテゴライズのダイナミクスを解明する
芸術作品をどう理解し、評価するか、その鍵は「カテゴリー」にある。本書は、分析美学の観点から芸術批評という実践を再検討し、作品のカテゴライズが判断に与える影響について考察する。批評は単なる好き嫌いではなく、鑑賞のルールをめぐる社会的相互作用であり、制度的文脈を構成する創造的営みであることを明らかにする。「批評の哲学」を更新する意欲作。


【目次】

はじめに
 1 なにについて論じるつもりなのか
 2 どう論じるつもりなのか
 3 なにを主張するつもりなのか
 4 なにを論じないのか

第一章 批評とは鑑賞のガイドである
 1 批評とはなにか
 2 鑑賞ガイドではない批評があるとする反論に応答する
 3 批評ではない鑑賞ガイドがあるとする反論に応答する
 4 酷評も鑑賞ガイドなのか 29
 COLUMN 選択ガイドとしての批評観

第二章 鑑賞とは単なる好き嫌いではない
 1 芸術鑑賞は好き嫌いの問題なのか
 2 素朴な主観主義に反し、鑑賞は単なる好き嫌いの問題ではない
 3 ヒューム的説明――鑑賞は好き嫌いの問題だが、鑑賞者については有能さが問えるとする見解
 4 ヒューム的説明の問題点――理想的鑑賞者は一方で十分な権威を持たず、他方で過度な権威を持つ

第三章 鑑賞とは卓越性の測定である
 1 鑑賞の客観的側面から出発する
 2 アリストテレス的説明――鑑賞は好き嫌いの問題ではなく、特定の目的に照らした測定だとする見解
 3 主観制約を満たさないことは美的なものと芸術的なものの区別によって正当化される
 4 アリストテレス的説明に残された課題――観点選択の問題
 COLUMN ムーア的説明?

第四章 鑑賞はカテゴライズに依存する
 1 カテゴライズが鑑賞を左右するとはどういうことか
 2 反文脈主義から文脈主義への移行
 3 美的判断はカテゴライズによって左右される
 4 美的判断論から芸術批評論へと拡張する

第五章 カテゴライズは単なる分類ではない
 1 ふさわしいカテゴリーと属するカテゴリー
 2 芸術作品は属するカテゴリーにおいて適切に鑑賞されるとは限らない
 3 芸術作品は属さないカテゴリーにおいて適切に鑑賞されるかもしれない――奇妙さからの論証
 4 純粋な認知主義との決別

第六章 ジャンルとは鑑賞のルールである
 1 ジャンルとはなにか
 2 ジャンルとは作品を分類するための諸概念であるとする見解 
 3 ジャンルとは鑑賞を統制するルールであるとする見解
 4 作品はジャンルへと分類されるのではなく、ジャンルのもとにフレーミングされる
 COLUMN 1 伝統としてのジャンル?
 COLUMN 2 ジャンルとしてのカラー写真

第七章 ふさわしいジャンルとは制度である
 1 ふさわしいジャンルはなにによって決まるのか
 2 ふさわしいジャンルは作者の意図によって決定されるという見解
 3 ふさわしいジャンルは制度的に決定されるという見解
 4 いいとこ取りとしての制度主義
 COLUMN ジャンルとしてのヴェイパーウェイヴ

第八章 批評の意義は判断の柔軟性を養うこ

内容説明

批評は創造的な社会実践だ!絵画や音楽や映画をどう“ジャンル分け”するか?分析美学の観点から批評という実践を再考し、単なる分類ではないカテゴライズのダイナミクスを解明する意欲作。

目次

第一章 批評とは鑑賞のガイドである
第二章 鑑賞とは単なる好き嫌いではない
第三章 鑑賞とは卓越性の測定である
第四章 鑑賞はカテゴライズに依存する
第五章 カテゴライズは単なる分類ではない
第六章 ジャンルとは鑑賞のルールである
第七章 ふさわしいジャンルとは制度である
第八章 批評の意義は判断の柔軟性を養うことにある

著者等紹介

銭清弘[センキヨヒロ]
1995年生まれ。2024年東京大学大学院総合文化研究科超域文化科学専攻博士後期課程修了。博士(学術)。現在、日本学術振興会海外特別研究員としてブリティッシュコロンビア大学に滞在中。専門は、美学・芸術哲学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

無重力蜜柑

13
良作、なれど異論あり。久しぶりに分析哲学の本を読んだが、明晰な用語法と論理展開で非自明な結論を導くそのスタイルにはやはり無二の美しさがある。無論、後述するように本作は非の打ち所がない無欠の論証では決してないが、少なくともどこに前提や論理の不足、誤謬があるかを指摘するのは相当に容易であり、ある種の人文学上の問題はこのスタイルで取り組まれるべきだと自分は強く感じる(無論、これで全てを汲み尽くせるわけではないが)。著者はまだ博士号を取ったばかりの気鋭の書き手だが、この分野の重要な文献になるのでは。2026/05/13

葉月

4
私たちはコミュニティ内で成立した制度的ジャンルを通して作品を評価しているしそれによって美的快を得られると主張し、アリストテレス的客観主義とヒューム的快楽主義のいいとこ取りを図っている。ジャンル評価基準の均衡点を改変する存在として批評の価値を擁護することにより、安易な相対主義や客観主義を回避する姿勢が巧みだし誠実に見えるが、すべての作品がジャンル的基準を参照して評価されているというのは直観に反してるしあまりに虚しい結論のようにも思える(”本物“が欲しいから)。でもさまざま議論ができそうという意味で面白い2026/05/16

ディス

3
◎。最近またしても「ビジュアルノベルはビデオゲームにカテゴライズされるか」が盛り上がっているのを見たので読んだら、議論にかなり役立ちそうな内容だった。ビデオゲームも正に次々に新しいジャンルが生まれている…あるヒット作をひな形とし手を加えたものからガワをかえただけの作品までドンドンでてくるが、その作品群を「ジャンル」として括る営みが、批評(もっと気楽にレビューと言い換えても良いと思う)にとってはどんな意味があるのか…なんてことを考える。ビジュアルノベルは、むしろゲームで在ろうとしない方がいいのかもしれない。2026/10/25

𝔥𝔬𝔪𝔬 𝔰𝔲𝔪, 𝔥𝔲𝔪𝔞𝔫𝔦 𝔫𝔦𝔥𝔦𝔩 𝔞 𝔪𝔢 𝔞𝔩𝔦𝔢𝔫𝔲𝔪 𝔭𝔲𝔱𝔬

0
批評とカテゴライズの2本柱で構成される本書だが、どちらの内容も私個人の体験に則しており、納得できるものだった。 少なくとも自分は「こう考えても面白いよね」と呈示するものとして批評を実践している。 ジャンルについても、ジャンルとは作品の枠組みではなく、作品内に認められる一連の特徴がそう呼ばれているもの……と構成的ルールとして考えていた。しかし、これを統制的ルール、つまり鑑賞のルールと捉える発想は自分にはない。良い気付きだった。 筆者のことはvaporwaveの批評で知っていたが、このような形で再会するとは。2026/08/17

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