出版社内容情報
内戦で亡命を余儀なくされた文学者や芸術家たち。
独裁政権下での検閲、民主化による「和解」のもとで沈黙を強いられた人々……。
さらに今世紀に入って隆盛するカタルーニャ独立運動など、
現在につながる危機の原点をたどり、新しい二〇世紀像を提示する注目作。
内容説明
戦争と暴力、政治社会とジェンダー、問われる民主主義、グローバル化による急速な社会変化…。二一世紀に入ってスペインが直面する危機を理解するために、人の移動とネットワーク、アイデンティティの揺れや変化といった視点をてがかりに、新しい二〇世紀像を提示する。
目次
第1章 自治と独立―カタルーニャ独立主義の源流(八嶋由香利)
第2章 共和政・内戦からフランコ独裁へ―政治的暴力の歴史とどう向き合うか(加藤伸吾)
第3章 「二七年世代」の女性作家たち―コンチャ・メンデスとマリア・テレサ・レオン(坂田幸子)
第4章 スペインの前衛芸術と内戦(松田健児)
第5章 フランコ独裁政権下の小説―社会危機の表象(丸田千花子)
第6章 スペイン民主化とは何だったのか―価値観・社会運動・政治制度(加藤伸吾)
第7章 移民をめぐる「危機」とスペイン社会(深澤晴奈)
著者等紹介
八嶋由香利[ヤシマユカリ]
慶應義塾大学経済学部教授。東京大学大学院総合文化研究科後期博士課程単位取得退学ほか、博士(学術)。専門分野:スペイン近現代史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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