出版社内容情報
日中戦争、大躍進、文化大革命、天安門事件など、幾多の困難にもかかわらず成長し続け、国際的影響力を強める中国とその政権を握る中国共産党。
壮大な理想とリアリズムの間で揺れ動いた毛沢東、鄧小平、習近平らの思想と行動、そして彼らが引き起こした歴史的事件を通じてその実像を解き明かす。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ジャズクラ本
15
◎思想も含めてしっかりとこの国の一党独裁政党のことが知りたくて手に取った。求めたのは①教科書的な単なる事績に留まらず時節の指導者の思惑などに踏み込まれていること、②とはいえ何れの方向にも極力偏りがないこと、③中国共産党がこの国の少数民族をどのように遇してきたかがわかること、④徒に難解でないことの4つであるが、③以外はほぼほぼ満足のいくもので当初の目的は達成された。③に関してもほんの僅かながらふれられているので、別途コメント欄に書き留めておく。陳独秀から現在の習近平に至るまで万遍なく網羅された良書。2021/12/13
Go Extreme
3
中国共産党史の語り方 中国共産党の誕生 国共合作とその挫折 武装蜂起、そして大粛清 退却と分裂 日中戦争下での危機と成長 国共内戦とソ連への傾斜 新しい国家の樹立と社会主義建設 中国的な社会主義を求めて 大躍進の挫折 文化大革命への道 自己目的化した「革命」―文化大革命 毛沢東時代の終焉、そして文化大革命の終わり 改革開放への大転換 突進あるいは修復ー胡錦澁時代 凍結あるいは反動ー習近平時代 2022/01/03
Masayuki Shimura
1
【歴史的にみた場合に、この政党の発展を特徴づけているのは、頻繁に行われる組織上、イデオロギー上、そして路線上の方向転換なのである】(文中より引用)・・・・・現在進行形で形作られている歴史を、これほどまでのバランス感覚でまとめ上げた手腕に拍手。現時点の目線で歴史的評価を下すのではなく、当時の社会主義思潮や国際情勢をしっかりと踏まえながら論じている点にも好感が持てました。2023/05/02
ゆきんこ
1
再読。通史理解2022/12/30
湯豆腐
1
石川『中国共産党、その百年』は党そのものの構造や変化に重点が置かれていた印象があったが、こちらはそれよりも個々の人物に対する考察が多めな印象。建党から国共合作、抗日戦争、建国、大躍進、文革、現代まで、その時々の指導層の行動に考察を加えつつ丁寧に流れを追っている。常にその性格を変質させ続ける中国共産党について理解を深めるのに最適。前掲書と併せて読んでも面白い。2022/03/20