出版社内容情報
なぜ生きている人間から、臓器を摘出してもいいのか?
脳死下移植・心停止下移植の件数と比べて圧倒的多数でありながら、いまだ十分な議論がなされていない生体臓器移植。その包括的な倫理的要件を提示する力作。
日本最多の臓器移植医療は一貫して生体臓器移植であり、今後さらに拡大する見込みである。
しかしながら、脳死下・心停止下からの移植は臓器移植法で法制化されているのに対し、生体臓器移植に関する法律はなく、また生命倫理学からの成果も限定的なものに留まっている。
本書は、哲学・倫理学分野の視座から分析を加えることで、「ドナーに危害を加える行為」である生体臓器移植における課題を解き明かし、その倫理的要件を提示する。切迫する医療現場に寄り添い、逡巡と規範を丁寧に析出する力作。
内容説明
日本最多の臓器移植医療は一貫して生体臓器移植であり、今後さらに拡大する見込みである。しかしながら、脳死下・心停止下からの移植は臓器移植法で法制化されているのに対し、生体臓器移植に関する法律はなく、また生命倫理学からの成果も限定的なものに留まっている。本書は、哲学・倫理学分野の視座から分析を加えることで、「ドナーに危害を加える行為」である生体臓器移植における課題を解き明かし、その倫理的要件を提示する。切迫する医療現場に寄り添い、逡巡と規範を丁寧に析出する力作。
目次
第1章 生体臓器移植はどのように研究されてきたか
第2章 倫理はどのように語られるべきなのか
第3章 臓器移植の大半を占める生体臓器提供
第4章 倫理指針を検討する
第5章 なぜ臓器売買に反対しなければならないのか―社会的制約
第6章 利益と不利益の比較衡量―医療者の責務:第7章 ドナーの逡巡と決定
第8章 臓器提供の困難さに向き合うために
著者等紹介
田村京子[タムラキョウコ]
1954年生まれ。1987年、慶應義塾大学大学院文学研究科哲学専攻博士課程単位取得退学。博士(哲学)。現在、帝京平成大学薬学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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