内容説明
世界文学『源氏物語』。古代から現代に到るまで、無数の人々を惹きつけてきたこの物語を四つの視角から読み解き、緻密極まりないその構造を明らかにする。『源氏物語』研究における“政治の季節”を牽引してきた著者の、物語読解へのあらたな挑戦を集成する、待望久しい論文集。
目次
政治の季節その後(冷泉朝下の光源氏―太政大臣と後宮の問題をめぐって;冷泉朝の始発をめぐって―貞観八年の影 ほか)
編年体と列伝体(『源氏物語』の編年体的考察―光源氏誕生前後;『源氏物語』の列伝体的考察―頭中将の前半生 ほか)
作品を形成するもの(大宰府への道のり―『源氏物語』と『高遠集』から;竹河巻紫式部自作説存疑 ほか)
近代における享受と研究(桐壺院の年齢―与謝野晶子の「二十歳」「三十歳」説をめぐって;『校異源氏物語』成立前後のこと ほか)
著者等紹介
田坂憲二[タサカケンジ]
昭和27年生まれ。九州大学文学部卒業、同大学院修了。博士(文学)。現在、慶應義塾大学文学部教授。国文学専攻(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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