出版社内容情報
7世紀末から18世紀にいたるまで個人的・実存的な「信仰」のあり方が理性のフィルターを通しいかに概念化されていったのかを辿る。▼1000年にわたるイスラーム神学論争! 『井筒俊彦英文著作翻訳コレクション』第四弾。
イスラーム思想史・神学史を考える上で最も興味深い7世紀末から18世紀にいたるまで、個人的・実存的な「信じること」や「信仰」のあり方が、いかに理性のフィルターを通し、概念化されていったのかを辿る。ときに学派間に烈しい議論をまきおこしながら、精緻な理論へ練り上げられていった、1000年にわたる壮大な神学論争を、意味論的手法を用いて鮮やかに分析、生き生きと描出する。
序
第一章 <ruby>不信心者<rt>カーフィル</rt></ruby>(kāfir)
一 ハワーリジュ派とカーフィルの問題の起源
二 ハワーリジュ派のクフル概念
三 ハワーリジュ派思想の基本構造
第二章 タクフィール(takfīr)の概念
一 恣意的なタクフィール行使の危険性
二 ガザーリーによるタクフィール理論
第三章 <ruby>重罪人<rt>ファースィク</rt></ruby>(fāsiq)
一 <ruby>重罪<rt>カビーラ</rt></ruby>(kabīrah)の概念
二 <ruby>重罪人<rt>ムルタキブ・カビーラ</rt></ruby>(murtakib al-kabīrah)
第四章 イーマーン(īmān)とイスラーム(islām)
一 イーマーンとイスラームの連関
二 イーマーンはイスラームと同一か
第五章 信という概念の本質的構造
一 ムルジア派とイーマーンの問題
二 イーマーンの本質的構造
第六章 信と知
一 イーマーンの定義における「知」の優越性
二 理性と啓示
三 <ruby>他人の権威による信<rt>イーマーン・ビ・タクリード</rt></ruby>(īmān bi-al-taqlīd)
四 イーマーンのあり処
第七章 是認としての信
一 知と是認
二 アシュアリーのイーマーン論
第八章 信ずることと言葉で告白すること
一 タスディークとイクラールのどちらが重要か
二 カッラーム派によるイーマーン論
第九章 信と行
一 ムウタズィラ派とムルジア派
二 イブン・タイミーヤのイーマーン論
三 イーマーンの増減
第十章 私は信ずる者だ。もし神が望み給うならば。
第十一章 イーマーンの創造
一 起源
二 アシュアリー派の立場
三 マートゥリーディー派の立場
四 クフルの創造
結 論
❊
附録 アブー・アブドゥッラー・ブハーリー「信の書」(『正伝ハディース集』より)
❊
解 説
監訳者あとがき
参考文献
索 引……事項索引/アラビア語用語索引
人名・著作名索引/クルアーン引用索引
井筒 俊彦[イヅツ トシヒコ]
著・文・その他
鎌田 繁[カマダ シゲル]
監修/翻訳
仁子 寿晴[ニゴ トシハル]
翻訳
橋爪 烈[ハシズメ レツ]
翻訳
内容説明
1000年にわたる壮大な神学論争!「信仰」や「信じること」は、いかに“理性”のフィルターを通して概念化されていったのか。ときに烈しい論争をまきおこしながら、精緻な理論へと練り上げられていった7世紀末から18世紀のイスラーム神学論争を描く世界的名著。
目次
第1章 不信心者(kafir)
第2章 タクフィール(takfir)の概念
第3章 重罪人(fasiq)
第4章 イーマーン(iman)とイスラーム(islam)
第5章 信という概念の本質的構造
第6章 信と知
第7章 是認としての信
第8章 信ずることと言葉で告白すること
第9章 信と行
第10章 私は信ずる者だ。もし神が望み給うならば。
第11章 イーマーンの創造
著者等紹介
井筒俊彦[イズツトシヒコ]
1914年、東京都生まれ。1949年、慶應義塾大学文学部で講義「言語学概論」を開始、他にもギリシャ語、ギリシャ哲学、ロシア文学などの授業を担当した。『アラビア思想史』『神秘哲学』や『コーラン』の翻訳、英文処女著作Language and Magicなどを発表。1959年から海外に拠点を移し英文で研究書の執筆に専念し、1979年、日本に帰国してからは『イスラーム文化』『意識と本質』などの代表作を発表。93年、死去
鎌田繁[カマダシゲル]
東京大学名誉教授、日本オリエント学会前会長。イスラーム神秘思想・シーア派研究
仁子寿晴[ニゴトシハル]
同志社大学非常勤講師。イスラーム哲学・中国イスラーム思想
橋爪烈[ハシズメレツ]
千葉科学大学薬学部薬学科講師、カリフ制度史・イスラーム政治思想史研究(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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