出版社内容情報
▼近代海軍の端緒、その13年の航跡を辿る!
軍事組織としての活動実態を、実証的に明らかにする力作。
本書は、幕末期に江戸幕府が創設した近代海軍、いわゆる幕府海軍の実態を解明するものである。
明治期以降に偏重していたこれまでの海軍研究とは一線を画し、本書では幕末期の海軍建設と、明治海軍との連続性、非連続性に焦点を当てる。
伊勢の豪商竹川竹斎、幕臣勝麟太郎(海舟)ら近世日本人の海軍認識、咸臨丸米国派遣の成果と課題、鑑船運用や経費執行の状況、人事システムの構築、第二次幕長戦争における戦闘の様相、明治政府への移管など、幕府海軍の軍事組織としての活動実態を、広範な史料を駆使して明らかにする。
序 章 近世日本の海軍力に関する諸問題
はじめに
1 海軍と水軍
2 研究史における問題点
3 本書の構成と各章の課題
4 史 料
第一章 近世日本人の海軍認識――竹川竹斎「護国論」を中心に――
はじめに
1 竹川竹斎について
2 「護国論」における洋式軍艦導入の主張
3 海運への視点と海軍建設の方法
4 「護国後論」と「老翁ノ勇言おじがおたけび」
5 竹斎の海軍論の特徴
おわりに
第二章 幕臣勝麟太郎の海軍論――嘉永六年海防建白書を中心に――
はじめに
1 勝の血縁と周辺
2 蘭学者としての経歴
3 海防建白書と幕吏登用
4 長崎海軍伝習
おわりに
第三章 安政期の海軍建設と咸臨丸米国派遣――訓練から実働への転換――
はじめに
1 軍艦操練所の創設
2 派遣の経緯
3 太平洋横断
4 長崎海軍伝習の実態
5 米海軍の見聞とその後の影響
おわりに
第四章 万延・文久期の海軍建設――艦船・人事・経費――
はじめに
1 艦船の運用状況
2 士官・吏員の任用状況
3 要員確保の試みと文久の改革
4 経 費
おわりに
第五章 文久期の海軍運用構想
はじめに
1 江戸内海防備体制と海上軍事力
2 文久の改革における海軍建設計画
3 海軍士官による海防計画の策定
4 海軍運用能力の実態
5 政治・外交部門の海軍力利用への志向
おわりに
第六章 元治・慶応期の海軍建設と第二次幕長戦争
はじめに
1 文久三年九月以降の軍艦方人事
2 勝麟太郎主導下の海軍行政
3 第二次幕長戦争への投入
おわりに
第七章 慶応の改革と幕府海軍の解体
はじめに
1 慶応の改革における海軍建設
2 鳥羽・伏見の戦い
3 幕府海軍の解体
おわりに
終 章
付録1 幕府海軍の艦船所有状況
付録2 幕府海軍人事の推移
付録3 幕府海軍関係年表
参考文献リスト
あとがき
索 引
金澤裕之(かなざわ ひろゆき)
1977年東京都生まれ。防衛省防衛研究所戦史研究センター所員。
防衛大学校総合安全保障学研究科後期課程修了。博士(安全保障学)。
慶應義塾大学文学部、同大学院文学研究科で日本史を専攻した後、海上自衛隊に入隊。
機動施設隊施設隊長、海上幕僚監部施設課員などを経て、現職。
本書所収外の論文に「海軍史料の保存と管理」(『波涛』213号、2011年3月)など。
内容説明
本書は、幕末期に江戸幕府が創設した近代海軍、いわゆる幕府海軍の実態を解明するものである。明治期以降に偏重していたこれまでの海軍研究とは一線を画し、本書では幕末期の海軍建設と、明治海軍との連続性、非連続性に焦点を当てる。伊勢の豪商竹川竹斎、幕臣勝麟太郎(海舟)ら近世日本人の海軍認識、咸臨丸米国派遣の成果と課題、艦船運用や経費執行の状況、人事システムの構築、第二次幕長戦争における戦闘の様相、明治政府への移管など、幕府海軍の軍事組織としての活動実態を、広範な史料を駆使して明らかにする。
目次
序章 近世日本の海軍力に関する諸問題
第1章 近世日本人の海軍認識―竹川竹斎「護国論」を中心に
第2章 幕臣勝麟太郎の海軍論―嘉永六年海防建白書を中心に
第3章 安政期の海軍建設と咸臨丸米国派遣―訓練から実動への転換
第4章 万延・文久期の海軍建設―艦船・人事・経費
第5章 文久期の海軍運用構想
第6章 元治・慶応期の海軍建設と第二次幕長戦争
第7章 慶応の改革と幕府海軍の解体
著者等紹介
金澤裕之[カナザワヒロユキ]
1977年東京都生まれ。防衛省防衛研究所戦史研究センター所員。防衛大学校総合安全保障学研究科後期課程修了。博士(安全保障学)。慶應義塾大学文学部、同大大学院文学研究科で日本史を専攻した後、海上自衛隊に入隊。機動施設隊施設隊長、海上幕僚監部施設課員などを経て、現職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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