内容説明
未知の法制度への転換に法律家はいかに呼応したか。明治初期から大正期の陪審法に至るまでの法曹三者による法廷運営の中に、彼らの「目の高さ」に映じた変革の実相を読み込み、いわば制度の「内側」からの視点で近代法史を描写する。
目次
第1章 明治太政官期法令の世界
第2章 訓令を仰ぐ大審院
第3章 司法官の近代法適用をめぐる逡巡
第4章 不応為条廃止論考
第5章 「擬律ノ錯誤」をめぐる試論的考察
第6章 判決文の近代化―「冗長」と批判された判決書の分析
第7章 近代日本法史における「学識」判事の登場―第一回判事登用試験顛末
第8章 刑事弁護士研究―馬袋鶴之助の場合
第9章 明治刑事法廷異聞
著者等紹介
岩谷十郎[イワタニジュウロウ]
慶應義塾大学法学部教授。1961年生まれ。慶應義塾大学法学部法律学科卒業、慶應義塾大学大学院法学研究科公法学専攻後期博士課程単位取得退学。専攻領域は日本法制史、法文化論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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